ドイツについて注意すべきこと
- ドイツの鉄道はほとんど全てがDeutsche Bahn(DB)に属していると思う
が、この会社は国有会社ではない。以前はそうだったらしいが、何十年か
前に私有化された。日本だとその結果サービスが良くなると普通の人は考
えるが、ドイツの場合は全く逆で、ひどくなり続けているようである。か
つてのDBは発車到着時刻厳守の代名詞のようであったときくが、今は時間
を守らない(守れない)ことの代名詞のようになっている。キャンセルも頻
発する。ベルリン近郊では、経験的に、暑い日、雪の日、暴風の日、雨の
日など(つまり多くの場合)に電車が度々遅れる。ドイツで電車旅行を計画
する場合は、時間に余裕をもった計画を立てることが必須である。
- これも日本では稀だが、ドイツでは、DBの線路のメンテナンスが頻繁
にある。メンテナンスがあると、その路線は1,2ヶ月止まってしまうのだ
(さらに当初の予定よりもさらに延長ということもよくある)。その結果、
通勤通学が大変不便になる。そもそも鉄道というのは国の基幹で、休業
は最小限にとどめるべきだと思うのだが、DBにはそんな意識は全くないよ
うである。あくまで、資本主義の1企業として儲けだけを考えるのがDBの
特徴のようである。日本では、これだけは真似させないようにして欲しい
ものである。
- なお、DBの運賃の上昇率は物価上昇率よりも明らかに高い。ちなみに
2018年から3年間で、ベルリンーポツダム間の一回乗車券の値段は、
10パーセント以上上がった(3.4ユーロから3.8ユーロに)。
- 日本からドイツに郵送する場合は、郵便がなかなか届かなかったり、
遠方の税関に物を取りに行く必要が生じたりすることが度々あるので要注
意である。特にEMSで荷物を送るときに保険をかける関係で中身の値段を
申告させられるが、このときに約5000円を超えるような額を書くと、遠方
まで荷物を取りに行かさせる上に場合によっては税金を払わされる場合が
あるので要注意である。例えば教科書やノートをダンポール箱に詰めて送
る場合は、よほどの貴重なものではない限り、少額を申告することを勧め
る。
単なる書類の送付でも想定よりも1、2週間遅れることがある。
EMSは追跡ができるので、最近の1例をあげると、以下のようなことがあった:
2021年6月29日17時ごろに左京区郵便局から発送、6月30日16時29分に大阪
国際交換局に到着、1分後に発送、7月2日15時33分にフランクフルト空港
に到着、直後に税関検査のため税関に提示、7月12日の19時になってもそ
の後全く動きがない(結局7月16日17時にようやく税関を出発し、最終的に
19日にポツダムの研究所に到着)。ちなみに中身はA4の書類が4枚入ってい
るだけで怪しい物では全くない。
日本では、EMSを使えば1週間くらいで到着すると謳っているが、ドイツ宛の
場合、ドイツ国内でどれだけかかるか全く不明である。十分注意を。
- ドイツでは、健康保険は公的保険と私的保険が存在する。収入がある
程度多い場合には私的保険に入ることを勧められるのだが、これは実際に
医者にかかると、私的保険の患者の方が喜ばれる(優遇される)ことで良く
わかる。ただし、私的保険会社の賭け金はすごいスピードで上がることが
わかってきた。筆者の場合は同僚に勧められてDe〇〇kaという保険会社に
加入したが、最初の3年間で約20パーセントも賭け金が上がった。明らか
に物価の伸び率よりも速い。今後どれだけ上がるのか大変心配している。
なお、私的保険の会社の変更は、原則できない(つまり最初に悪どい会社
あるいは傾きかけている会社に加入してしまうと取り返しがつかなくなる
可能性がある)。