Subject: [ss2001: 157] 繰越金問題に関する京都大学の見  解
Date: Tue, 31 Jul 2001 17:38:29 +0900
From: azuma @ gauge.scphys.kyoto-u.ac.jp

拝啓 夏の学校役職校の皆様 [ss2001:152]の若手WGよりのコメントを受けて、本日、京都大学若手によ る議論を行なった見解をまとめて報告させて頂きます。 まず、我々の提出したもとの議案の基本的な方針から、説明をさせて頂きま す。京都大学の任期内に繰越金の累積問題を解決し、健全な財政状況を早期に 実現したいという点が第一にあります。また、夏の学校の参加における若手の 負担の大きい現状を鑑みてできるだけ多くの金額を若手に還元したいという視 点で議案を作成致しました。その結果、我々は繰越金の存在を援助申請の場で 公表すること、そして2001年度〜2004年度の夏の学校で繰越金を旅費補助の拡 充にあて、援助団体より従来どおりの補助を申請することを提案した次第であ ります。 我々は、昨日の素粒子論委員会の若手WGの方々の見解を受けて議論を行ないま した。そして、今後外部の援助団体との信頼関係を築いていく上でも現在の議 案書の方策は不適切なものであるとの認識に至りました。まず我々2002年度セ ンター校が援助団体に対して対外的に認めなければいけない非は、若手WGの方々 の文面で指摘されたように、これまでの援助申請で繰越金の存在について明記 しなかったことです。若手側に非がありなおかつ補助金の6倍近い繰越金が存 在していながら、援助申請でさらに援助を要求することは筋の通らない主張で あるといえます。また、そのような態度は今後援助団体との信頼関係を損なう 原因であることも危惧されます。 以上の点を踏まえて、我々は次の結論に至りました。 (1) まず、2001年度に繰越金を用いることについては、取り下げさせて頂き ます。現在の段階で繰越金を旅費補助に用いることは、明らかに援助団 体の心象を損なうもとです。また、現在の役職校の方々の方針を覆し、 拘束してしまうという点からもこの提案は不適切なものであったと捉 えております。 (2) 我々の考える繰越金の適正金額は、100万円〜150万円程度の金額を想 定しました。 (3) 我々は旅費補助の拡充に4年間40万円ずつ用いるという方策は取り下げ て、繰越金が適正な金額に戻るまでは援助を辞退する、あるいは減額 申請をする方針をとります。具体的には、現在の予算規模を維持しつ つ、足りないぶんを繰越金で補うとすれば、一年あたり80-90万円程度 の繰越金減額に繋がることが予測されます。これについては、総会の 場所では2002年度の方策についてのみ議決をとることとし、2003年以 降の方針については、後の総会に譲ることとします。 もし、総会の議論の結果、若手の総意として「できるだけ多く予算を獲得す べきである」「従来どおりの補助を求めるべき」という認識に至った場合には、 旅費補助によって繰越金を消化し、援助団体には従来どおりの援助を申請する 方針でおります。まず、若手WGよりは旅費補助について否定的なコメントを賜っ ておりますが、我々としては旅費補助として使うことの正当性を十分に説明し きれていない面もあります。時間的に見れば不公平は生じるにしても現在の参 加者については地域間の格差を緩和するためむしろ公平な使途であること、繰 越金の中には援助団体のお金だけではなく参加者からの予算も含まれているた めその使途は夏の学校で閉じたものであるのが順当であることなど、今後素粒 子論グループに主張できる余地は残されていると捉えております。また、その 際でも(1)で述べました不適切さから、2001年度で繰越金を使うことは控えた いと考えております。 以上が、若手WGよりのコメントに対する、京都大学の見解であります。一度 提出をした議案書の方針を覆す我々の朝令暮改な態度の愚は重々承知をしてお りますが、これも今後素粒子論グループをはじめとする援助団体との信頼関係 を築いていきたいがための我々なりの結論と思い、何卒ご理解を頂きたいと思 います。 最後に、私の過失により総会の決議を待たずして繰越金問題が素粒子論委員 会の知るところとなりましたことについては、改めて謝罪させて頂きます。こ の件に関して、役職校の皆様、特に現在のセンター校である大阪大学の方々に 対しては多大な迷惑をお掛け致しました。 敬具 ---------------------------------------------------------------------- 京都大学大学院 理学研究科 物理学第二教室 素粒子論研究室 博士課程1年 東 武大 Website: http://www-gauge.scphys.kyoto-u.ac.jp/~azuma/index.html E-mail: azuma @ gauge.scphys.kyoto-u.ac.jp ----------------------------------------------------------------------