基礎物理学研究所では以下のテーマについて
市民向の講演会を行います。理論物理学の基礎的な話題について
解説する予定です。
プログラム
13:00 | 所長の挨拶 |
13:10 | 太田隆夫 ゆらぎの不思議 |
14:25 | 休憩 |
14:40 | 九後 太一 力の起源:ゲージ相互作用 |
16:00 | 閉会 |
当日は、当研究所の創立者であります、故 湯川秀樹博士の使われていた 研究室に研究資料等を展示した湯川資料室を12時から5時まで(講演中 の時間帯を除く)公開しています。ご自由にご覧下さい。
次回の市民講演会は2005年7月2日 (土曜日) 場所:京都大学理学部6号館401号室
講演者:Andrei Linde (Stanford大学教授)ほか。
太田教授 |
自然界にはさまざまな運動がある。何十年後に日食が起こるかを予測できる天体の運 動は、決定論的であるという。一方、7日後の天気を確実に予測するのは観測や計算 機が発達した現代でも依然困難である。このように、予測不可能な要因が潜む現象に は必ずゆらぎが存在する。20世紀の物理学として相対論や量子力学の理論が構築さ れ、自然現象の理解は飛躍的に進歩した。同時にある種のゆらぎ(熱ゆらぎ)につい ても大きな発展があったのが20世紀物理学の特徴である。しかし、生命現象や社会 現象まで含めると、ゆらぎについては物理学として未知の部分が多い。これらゆらぎ の今日的話題についてお話したい。 |
九後所長 |
電磁気力や重力など、自然界に存在するすべての力(相互作用)は、何故 存在するのか? 自然界における「もの(物質)」や「力(相互作用)」の「あ り方」を記述することを目指してきた素粒子論は、20世紀の後半になって ある意味で「存在の必然性」に対しても答えられる段階になったと言って良 いだろう。事実、自然界の4つの相互作用は、すべて、ゲージ対称性という 極めて簡単な幾何学的要求に基づくこと、がわかってきた。 ゲージ対称性が その力を媒介する(電磁場や重力場などの)場の存在を導き、それらが物質 とどう相互作用するのかまで決めてしまう。現在の素粒子論の輝かしい到達 点である「素粒子標準理論」の骨格をなす、このゲージ対称性の原理につい て易しく解説したい。 |