

素粒子論研究・電子版 Vol 1-2 - 2009年
Volume 1
2009年3月5日発行
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講演1 - 2008年ノーベル賞受賞記念講演 CP 対称性の破れが我々に語ったこと2008年12月12日受理素粒子論研究116巻5号(2008年12月号)P.151にも掲載
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解説・プログラム2 - 石川 健一 CKM行列フラッシュプログラムによるCP対称性の破れ入門2009年1月21日受理本稿では石川健一と林雅子が開発したCKM行列フラッシュプログラムの意味を小林・益川の原論文[1]にそった形で紹介する.CKM行列フラッシュプログラムはなぜ3世代のクォークがCPの破れに必要だったかを実感させるのによい教材である. このプログラムの簡単な説明, プログラムの動作とCPの破れの関係を議論する. 他に2世代でもCPの破れが起きるマヨラナニュートリノの場合にどの様にプログラムを使うかも説明する. 本プログラムは広島大学素粒子論研究室のホームページ CKM matrix において公開されている.アブストラクトCKM行列フラッシュプログラム, 小林・益川理論, CP対称性の破れキーワード
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論文3 - 重力場の量子論と一般相対論2009年1月28日受理「重力場を量子化すると時空もq数になる」とか、「量子重力場はc数時空計量と重力定数ゼロの極限でゼロになる量との和で書ける」というような迷信を打破するため、重力場の量子論を概説し、一般相対論との関連を論ずる。量子アインシュタイン重力を共変的摂動論で計算するとくりこみ不可能な発散がでるのは、それが誤った仮定に基づいた計算法だからである可能性が高いことを指摘する。アブストラクト重力場の量子論, 一般相対論, 共変的摂動論の破綻, ハイゼンベルク描像での解法キーワード
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研究会報告4 - 理研シンポジウム「場と弦の理論の新展開に向けて」2009年2月16日受理場の量子論と弦理論は様々な方向へと発展を続け、興味深い理論的成果を生み出すだけでなくそれらの応用範囲を広げ続けています。さらなる素粒子理論全体の発展のためには、これらの情報を共有し、かつそれらの背後にある概念を抽出する必要があると思われます。 こうした問題意識のもと、この研究会を2008年12月20日から22日にかけて理化学研究所にて開催致しました。皆様の研究成果についてその核心部分をアピールして頂き、それらを参加者が議論、吟味することで、日本の理論物理学の進展を推し進めて行くのがこの研究会の目的です。アブストラクト研究会, 場の量子論, 弦理論キーワード
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講義ノート5 - 超対称Chern-Simons理論とM2-ブレーン2016年1月10日受理(2009年3月4日受理版)さまざまな背景時空上のM2-ブレーンの低エネルギー有効理論を与えると期待されているクイバー型超対称Chern-Simons理論の基本的な事柄について、特にモジュライ空間の構造を中心としてまとめた。アブストラクトM2-ブレーン, Chern-Simons 理論キーワード変更点:より使いやすい spinor convention への変更、新たなセクションの追加
1 - 2008年ノーベル賞受賞記念講演 CP 対称性の破れが我々に語ったこと
益川 敏英
2 - 石川 健一 CKM行列フラッシュプログラムによるCP対称性の破れ入門
林 雅子、両角 卓也
3 - 重力場の量子論と一般相対論
中西 襄
4 - 理研シンポジウム「場と弦の理論の新展開に向けて」
鈴木 博、阪口 真、村上 公一、横井 直人、木村 哲士
5 - 超対称Chern-Simons理論とM2-ブレーン
今村 洋介
Volume 2
2009年5月28日発行
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講演1 - Closing Remarks by a Rehabilitant2009年4月8日受理去る2009年1月26日-3月25日の2ヶ月間、基礎物理学研究所において"Particle Physics beyond the Standard Model" と銘打った滞在型ワークショップを開催した。その間、週3回の通常セミナー、3月9日-13日のYKISシンポジウム(集中セミナー)、など、LHC時代における>標準模型後の素粒子物理学の方向性を探る多くの興味あるトークがあった。それらを取り上げつつ、現在の素粒子論が直面する諸課題について、はなはだ素人の観点から整理した、雇われ組織委員長のclosing remarksである。アブストラクト興味あるトークの詳細や、引用していないトークは、ワークショップの WEBページ から、Seminars や YKIS Symposium - Program を辿って、トークのファイルを直接ご覧下さい。WEBページYKIS Symposiumキーワード
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修士論文2 - カイラルランダム行列模型によるQCD相構造の研究2009年5月13日受理QCD の有効理論としてのカイラルランダム行列(ChRM) 模型を紹介する。特に、従来のChRM模型の持つ、相転移がNf に依存しないという不満足点を明らかにする。我々は、UA(1) 対称性を破る項が自然に現れ、かつ安定な基底状態を持つ新しいChRM 模型を構築する。新しいChRM模型は、カイラル極限での有限温度相転移が、Nf = 2 のときに二次相転移、Nf = 3 のときに一次相転移になる。アブストラクトQCD phase transition, QCD critical point, Chiral random matrix theoryキーワード
1 - Closing Remarks by a Rehabilitant
九後 太一
2 - カイラルランダム行列模型によるQCD相構造の研究
佐野 崇
3 - 1998年度〜2008年度素粒子論グループ名簿によるポスドク等の実態調査
浅野 雅子