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Volume 34 - 2

  1. 修士論文
    2 - Anomaly Inflow In Curved Space
    素粒子論研究・電子版 Vol 34 (2021) No. 2
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    概要
    対称性は物理学において重要な概念の一つである.しかし,経路積分による場 の量子論の定式化では,古典的には期待できる対称性が存在しない場合がある.これは古典 的な対称性が量子効果で破れることを意味し,アノマリーと呼ばれる.アノマリーは有限自 由度と無限自由度の差から生じる. 空間にドメインウォールが存在する場合,高次元時空におけるアノマリーがドメイン ウォール上のアノマリーを補正し,全体としてアノマリーのない理論を構成できる.これは アノマリー流入と呼ばれ,Callan-Harvey 機構やドメインウォールに局在する状態で説明さ れる.そこで,曲がった空間を高次元の空間にドメインウォールとして埋め込むことを考え る.重力はこれによって再現されるため,曲がったドメインウォールに局在したフェルミオ ンによってアノマリーへの重力の寄与を計算できると期待できる. 本研究では最初に,ドメインウォールで重力アノマリーを再現することを念頭において, 重力アノマリーの構成をレビューする.重力アノマリーは,古典的に期待できる局所 Lorentz 変換や一般座標変換が量子効果で破れることを表す量である.そして,この 2 つから生じる アノマリーが局所 counter term で移り合い,本質的に同じであることを確認する. 次に Euclid 空間に曲がったドメインウォールを設置して,フェルミオンの振る舞いを調 べる.ドメインウォールとして球面や円筒を用いて,ドメインウォールに局在する状態の固 有値や相関関数を解析的に求める.
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