Volume 19-1
素粒子理論の宇宙論への適用に関する疑問
中西 襄
素粒子論研究・電子版 Vol. 19 (2014) No. 1
(編集部で巻号の表記法を統一した結果、素粒子論研究・電子版 Vol. 19 (2015) No. 1 の表記に変わりました)
2014年9月12日受理
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概要
ビッグバン宇宙論によれば,宇宙は最初非常に高温だったが,膨張するに従い次第に冷えたとされる.この際,相転移が起きて,対称性が高い状態から自発的に素粒子の標準理論で記述されるような対称性の低い状態に移行したという解説がよくなされる.だが,これは場の量子論的にきちんと定式化された理論に基づく主張なのであろうか.どなたかこの件に関する原理的疑問に答えて頂けないものだろうか.