Volume 2-2
修士論文
カイラルランダム行列模型によるQCD相構造の研究
素粒子論研究・電子版 Vol. 2 (2009) No. 2
2009年5月13日受理
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概要
QCD の有効理論としてのカイラルランダム行列(ChRM) 模型を紹介する。特に、従来のChRM模型の持つ、相転移がNf に依存しないという不満足点を明らかにする。我々は、UA(1) 対称性を破る項が自然に現れ、かつ安定な基底状態を持つ新しいChRM 模型を構築する。新しいChRM模型は、カイラル極限での有限温度相転移が、Nf = 2 のときに二次相転移、Nf = 3 のときに一次相転移になる。
キーワード
QCD phase transition、QCD critical point、Chiral random matrix theory