Volume 26-2卒業論文
初期宇宙の観測量について
中塚 洋佑 (東京大学宇宙線研究所)
素粒子論研究・電子版 Vol. 26 (2017) No. 2
2017年6月12日受理
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概要
本卒論では、インフレーションによるゆらぎが現在の物理量に及ぼす影響を解析した。初期宇宙の物理現象を理解するためには、初期宇宙で作られたゆらぎを知るだけではなく、そのゆらぎがどのように時間発展して観測されるかを調べる必要がある。まずインフレーションで作られた量子ゆらぎがどのように宇宙背景放射 (CMB) のスペクトル構造に効くかを半解析的に計算した。更にCMBでは見ることができない宇宙の晴れ上がり以前の宇宙を直接観測することが可能な背景重力波 (Stochastic gravitational wave background: SGWB) について、現状での制限を調べた。またインフレーションの詳細について更なる情報を得ることができるゆらぎのnon-gaussianityを計算した。