Volume 37-2
時空概念の数学的イメージ
中西 襄 (京都大学数理解析研究所)
素粒子論研究・電子版 Vol. 37 (2022) No. 2
2022年6月29日受理
概要
特殊および一般相対論は、時間は3次元空間と同列のものであり、両者は合体して4次元時空として取り扱わなければならないことを明らかにした。他方、最も稔り多い理論形式である正準理論では、時間はあくまでも別格の存在である。この両者の不整合は、量子アインシュタイン重力においてはその一般線形変換不変性のおかげで自然な形で解消される。そしてその結果、素粒子物理学におけるローレンツ不変性の素性が明らかとなる。こういった歴史的発展を時空概念の変遷という視点から解説する。
コメント
本記事は、病床にある著者中西襄氏の手書き原稿を吉田律氏がTeX入力し代理投稿したものである(記事17ページ参照)。著者の許可を得て手書き原稿の一部を本ページに掲載した。本論文についての連絡は吉田氏にされたい。
キーワード
量子アインシュタイン重力