\documentstyle[psfig]{article} \setlength{\topmargin}{-1cm} \setlength{\oddsidemargin}{-0.5cm} \setlength{\textwidth}{17.0cm} \setlength{\textheight}{25.0cm} \begin{document} \title{微分方程式のもう一つの見方} \author{数野一平 \\ 北海道大学} \date{\today} \maketitle \section{微分方程式のもう一つの見方} 次のような形をもつ変数分離型の微分方程式を別の見方で理解しましょう。 \[ {dy \over dx} = f(x) g(y) \] 変数分離型の微分方程式は、 $(x,y)$ のある関数 $F$ の全微分が 0 と表すこともできます。 \[ {dy \over dx} = f(x)\,g(y) \to {dy \over g(y)} - f(x) dx = 0 \to dF = 0 \] ここで、関数 $F(x,y)$ は \[ F(x,y) = \int^y {dy' \over g(y')} - \int^x f(x') dx' \] です。 よって、微分方程式の解は関数 $F$ が一定の軌跡とみなせるのです。 \subsection{具体的な例} さて、例として次の微分方程式を解いてみましょう。 \[ {dy \over dx} = {y \over 2x} \] この微分方程式を変形すると、関数 $F(x,y)=\log y - \frac12\log x$ の 全微分が 0、別の表現では解は $F=\hbox{一定}$ の等高線となります。 下のグラフでは、この等高線を描いています。 様々な等高線は「初期条件」(例えば $x=1$ の時の $y$ の値) の違いに 対応します。 例えば $x=1$ で $y=1$ なら $y=\sqrt{x}$ ですね。 \psfig{figure=prog04-3.ps,width=12cm} \end{document}