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6. 単振り子の問題

今回と次回で、再び図を載せたプリントを作りましょう。 ただし、そろそろ「物理の問題」に入ります。


今回の課題


● 問題設定 (単振り子)

今回扱うのは単振り子です。 長さ $\ell$ の質量が無視できるたるまない糸の先につけた 質量 m の質点の運動を考えます。 垂線からの振り子の角度を x (rad.) とすると、 運動方程式は

\begin{displaymath}
m\ell\frac{d^2x}{dt^2} = -mg \sin x\end{displaymath}

となります。 高校では小さい角度のみを考え、$x \ll 1$ として $\sin x$ の近似式

\begin{displaymath}
\sin x \simeq x\end{displaymath}

を使って運動方程式を簡単にします。

\begin{displaymath}
m\ell\frac{d^2x}{dt^2} = -mg x\end{displaymath}

そうするとこれはバネ定数が $mg/\ell$ のバネ振り子と同じ 運動方程式になるので、次のように解くことが出来ます。

\begin{displaymath}
x = A cos(\omega t + \delta)
\ ,\quad
 \omega = \sqrt{g/\ell}\end{displaymath}

すなわち、糸の長さが等しければ最初の角度によらず 同じ周期の振動運動をするのです。

このことは歴史的にも重要な「発見」だったのですが、 皆さんは高校生のとき、 「この近似はどの程度正しいのだろうか ?」 と思ったことはありませんか ? 高校生のこうした疑問には、 「数値計算」を使って答えましょう。

これ以降、 初期条件が t=0 において x=x0 (>0), v=dx/dt=0 である場合を考えます。 また、$m=1, \ell=1, g=9.8$ として下さい。



● Examples



● Hints



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Akira OHNISHI
10/10/2002