核多体系物理学 (2012 年度後期)
- 授業の概要・目的:
核子・ハドロン・クォークからなる多体系の性質を状態方程式、
および核反応論の観点から議論する。
核物質の状態方程式を記述するために必要となる核多体理論
(平均場理論、G-matrix 、熱場の理論、強結合格子QCD )、
ハイパー核生成反応や重イオン反応を理解する上で必要とされる
原子核核反応理論(直接反応、輸送模型等)、
等の理論の枠組について解説すると共に、
これらについての最近の研究成果についても紹介する。
- 授業計画と内容:
核子・ハドロン・クォーク物質の相互作用と状態方程式について以下の内容で講義する。
- 状態方程式を記述する理論模型
- 核物質の状態方程式とQCD相図研究の概観
- 場の理論からのアプローチ(南部- ヨナラシニョ模型、強結合格子QCD)
- 相対論的平均場理論
- 輸送理論
- 時間依存平均場理論、半古典輸送模型とボルツマン方程式、流体模型
- 古典ヤンミルズ場のダイナミクス
- 高エネルギー重イオン衝突の概観と輸送理論の適用例。
- 直接反応理論
- 核子-核子散乱、核力と位相差、有効相互作用( G-matrix)
- ハドロン- 核反応 (光学模型、インパルス近似、グリーン関数法) 、
ハイパー核・中間子核生成反応の概観と直接反応理論の適用例
- 高エネルギー核反応(グラウバー模型、ハドロン共鳴)
- 成績評価の方法・基準: 履修状況及びレポートにより総合評価する。
Akira Ohnishi