核多体系物理学 (2015 年度後期, 大西)
- 授業の概要・目的:
核子・ハドロン・クォークからなる多体系の性質を量子色力学(QCD)、状態方程式、および核反応論の観点から議論する。強い相互作用の基本理論であるQCDの基本的性質、核物質の状態方程式を記述するために必要となる核多体理論(平均場理論、有効相互作用、有限温度・密度での場の理論、強結合格子QCD)、ハイパー核生成反応や重イオン反応を理解する上で必要とされる原子核反応理論(直接反応、輸送模型等)、等の理論の枠組について解説すると共に、これらについての最近の研究成果についても紹介する。
- 授業計画と内容:
量子色力学、および核子・ハドロン・クォーク物質の相互作用と状態方程式について以下の内容で講義する。
-
有限温度・密度における場の理論入門
(a)経路積分・松原和・自由エネルギー
(参考資料:
高温展開についてのノート,
更新版(2016/01/13, Thanks to Nakagawa-kun)
)
(b)QCDにおけるカイラル相転移、南部-ヨナラシニョ模型、強結合格子QCD
- 状態方程式を記述する理論模型
(a)核力と位相差、有効相互作用
(b)核物質の状態方程式、平均場理論
-
原子核反応理論
(a)核子-核子散乱、ハドロン-原子核反応
(b)流体力学、輸送理論
(c)ハイパー核・中間子核生成反応の概観と直接反応
- 成績評価の方法・基準: 履修状況及びレポートにより総合評価する。
(レポート問題)
Akira Ohnishi