Volume 44-3修士論文
4次元系でのテンソル繰り込み群手法の改良
杉本 悠斗 (東北大学大学院理学研究科)
素粒子論研究・電子版 Vol. 44 (2025) No. 3
2025年3月6日受理
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概要
テンソル繰り込み群法は,格子QCDにおける符号問題を克服することができる1つの候補として,近年注目を集めている.しかしながら,同手法は高次元での計算コストが大きいという問題が知られている.
本研究では,テンソル繰り込み群法を4次元において高速化する手法を,アルゴリズム面及び実装面から提案した.この結果,従来の手法よりも少ない計算時間で,同等の精度を達成できることを示した.また,本研究で提案した手法を用いて4次元Isingモデルの相転移の解析を行い,摂動論から予想されている対数的スケーリングの存在を議論した.
キーワード
テンソル繰り込み群