弦理論を摂動論を越えて定義しようという試みの一つである IIB 行列模型に ついてレビューを行う。 摂動的な弦理論には、無数に存在する真空から、実際にどの真空が選ばれる のかを予言できていないという大きな問題がある。しかし、IIB 行列模型の中 では、ゲージ場・物質に加えて、時空までもが力学自由度になっており、この 問いに答える可能性を秘めている。