計画班: B13

物質場と重力における対称性とトポロジー

研究代表者東島 清大阪大学大学院理学研究科・教授
細谷 裕大阪大学大学院理学研究科・教授
窪田 高弘大阪大学大学院理学研究科・教授
見目 正克奈良女子大学理学部・教授
中原 幹夫近畿大学理工学部・教授

重要な成果

高次元ゲージ理論を用いて、ゲージ場とヒッグス場を統合した。余剰次元におけるアハロノフ・ボーム位相は、4次元電弱理論に現れるヒッグス場と同定される。5次元時空が曲がったワープ空間の場合には、現実的な模型を構成することができる。ヒッグス粒子の質量は100-300GeVと予想される。また、ヒッグス粒子とクォーク・レプトン等の相互作用は、標準理論と大きく異なり、近い将来、LHCなどによる検証が期待される。

年度毎の進展と成果

平成13年度

非線形シグマ模型を補助場を用いて定式化。Einstein-Weinberg-Salam 理論において新しいトポロジカル解を導出。4次元および3次元の球対称重力理論の古典および量子解を解析。アルカリ原子におけホロノミー(Berry位相)位相差による渦の連続的生成を導出。

平成14年度

非コンパクトなリッチ平坦な空間に値を取る非線形シグマ模型を構成。トポロジー特異点を持つ閉じたデジッター時空における有限の量子効果を導出。Non-Abelianホロノミーを用いて量子計算に必要なアルゴリズムを開発。

平成15年度

Large N法を用いて非線形シグマ模型を非摂動論的に解析。非自明なトポロジ−を持つ余剰次元がある場合の細谷機構を解析。重力場の対称性を用いて保存量と境界項との関係を研究。スカラー・タキオンおよびベクトル場のブレインへの局在を示す。

平成16年度

非線形シグマ模型における非摂動論的くりこみ群方程式を導出。ブラックホールの熱力学的性質を研究。6次元非可換ゲージ理論において、完全に正則なモノポール解を発見。anomaly mediationと呼ばれる超対称性の破れの機構においてtachyonic slepton問題を回避する模型を構築。SU(4)のCartan分解を用いて量子アルゴリズムの時間最適解を構成する方法を開発し,実際にNMR量子コンピュータで実行。

平成17年度

非摂動的くりこみ群方程式を用いて、アインシュタイン・ケーラー多様体が固定点になることを示す。ゲージ場とHiggs場を高次元ゲージ理論のなかで統一し、量子効果により対称性を破る細谷機構を電弱相互作用に適用。球対称で静的なブラックホールが持っているエントロピーを、Brick Wall正則化を用いて計算。ホロノミーを用いる量子計算において、底空間上の最短ループで与えられたホロノミーを実現する等ホロノミー問題の厳密解を導出。回転座標系へのゲージ変換を用いて、NMRにおける問題を解決。

平成18年度

ゲージ・ヒッグス統合理論でワインバーグ角とクォークレプトンの質量行列をただしく再現、LHC実験での検証を提唱。物質場のエントロピーが、ブラックホールのホライズン周辺に局在する機構を研究。NMRを用いてデコヒーレンスの抑制理論。超微細超伝導素子を用いてベリー位相の観測可能性を提唱。

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