計画班: B14

対称性の自発的破れを持つ系と非摂動的方法

研究代表者柏 太郎愛媛大学大学院・教授(H13〜H18年度)
井町 昌弘山形大学・教授(H13〜H17年度)
江沢 康生愛媛大学大学院・教授(H14〜H18年度)
川村 嘉春信州大学・助教授(H15〜H18年度)
米山 博志佐賀大学・教授(H13〜H14年度)
原田 恒司九州大学大学院・助教授(H13〜H14年度)
川合 栄一郎愛媛大学・助教授(H14年度)

重要な成果

経路積分における補助場の方法がきわめて有効で、見通しのよい方法であること が確立された。 Maximum Entropy Method に基づいた解析法を確立した。 多次元・高階重力理論に基づいて量子論を目指すため、正準形式の定式化へむけ ての基礎を固めた。 世代の起源を説明する可能性のある様々な5次元時空上の大統一理論を見つけ、 その構造を反映した超対称化された標準模型の構成粒子の質量間に成立する和則 を導くことに成功した。

年度毎の進展と成果

平成13年度

非可換ゲージ背景場と結合している南部ーJona-Lasinio 模型の解析を論文として発表した。(柏)トポロジカル項を含む$CP^N-1$模型の連続極限での数値シミュレーションを行った。(井町・米山)$1/N_c$ 展開をバリオンに適用し、有効場理論の最低次で3核子力としてどのようなものがあるのかを調べた。(原田)

平成14年度

グラスマン積分の4体項を持つ(=自明な答えを持つ)場合に関して補助場の効果を詳しく調べた。(柏)テータ項を含む場の理論の数値的研究における負符号問題に対して、最大エントロピー法による解決を試みる研究を行った。(井町・米山) スピン-フレーバー対称性から、3核子力が有効場理論の最低次まででどのように振る舞うかを研究した。(原田)

平成15年度

グラスマン積分の4体項を持つ場合に関して補助場の効果を調べた(柏)$CP^(N-1)$ 理論における複素ボルツマン因子の問題と「最大エントロピー法(MEM)」の有効性を検討した。(井町)$f(R$ )型、 Ricci テンソルの2乗に依存する高階重力理論の正準形式の定式化を行った。(江沢)高次元時空上の大統一理論の構築・余剰次元として1次元オービフォールドを持った5次元時空上の大統一理論の境界条件の分類と実現可能性について研究した。(川村)

平成16年度

補助場の方法の有効性を、特に縮退のあるフェルミ系の場合について調べた。(柏)テータ項を含む系フラット化について,Maximum Entropy Method(MEM)による分析を進めた。(井町)高階重力理論の様々な定式化によるLagrangian密度の関連をつけた。(江沢)5次元時空上の大統一理論についてゲージ場とヒッグス場の統一的記述という観点から、電弱対称性の力学的な崩壊について研究した。(川村)

平成17年度

補助場の方法について、量子力学(1次元場の量子論)での4体相互作用のフェルミ模型を解析した。(柏)MEM によってえられるさまざまなフィットのカーブが得られるが、すべて、MC シミュレーションがもつ統計誤差の範囲に収まることが明らかになった。(井町)Kaluza-Klein 型の多次元時空で発生した重力波の4次元時空における伝播の仕方を調べた。(江沢)拡張された行列に基づく力学的な理論を提案した。(川村)

平成18年度

補助場の方法のダブルウエル型の時の近似をあげる事を目指して、複数の補助場による系の書き換えと有効性のチェックを行っている。(柏)多次元時空がコンパクト化する前に発生した重力波に対するextra次元の曲率の効果を調べている。(江沢)高次元時空上で定義されたゲージ理論から、軽い3世代の物質粒子を導く可能性を指摘。(川村)

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