Brief Summary of Each Supplement
Progress of Theoretical Physics Supplement No. 146
Physics of Unstable Nuclei
Proceedings of the 10th Yukawa International Seminar
萩野 浩一、堀内 昶、松尾 正之、谷畑 勇夫 編集
安定核に限定されていた原子核の知識は、80年代半ばのパイオニア的実験に始まって
急速に不安定核の広大な領域へと拡大されている。中性子のハローやスキンに代表
されるように安定核とは大きく異なった核物質の新しい構造形態に我々は遭遇して
きている。不安定核の物理は現代の原子核研究の中心的分野としてますます大きく
広がっており、世界の主要な研究機関で新たな実験施設が建設されてきている。
わが国においても RI Beam Factory の建設が進行中であり、近い将来のこの研究分野
の格段の進展が期待されている。
この状況を背景として、2001年の11月に京都大学基礎物理学研究所で第10回の
湯川国際セミナー（YKIS01）が「不安定核の物理」のテーマで開催された。
主なテーマは、不安定核の構造と反応、中性子過剰核物質、宇宙核物理学と
元素合成、新しい理論と計算法、などであった。それぞれのテーマに対して
世界的に著名な多くの研究者を集め、研究の現状をレビューし将来の展望を
討論した。海外の19ヶ国からの64人を含んで参加者は180人を越えた。
本号はこの YKIS01 の会議録であり、招待講演と寄稿論文から選ばれた口頭発表
論文に加えて、3分講演の機会の与えられたポスター発表論文が収録されている。
|
|
