Brief Summary of Each Supplement
Progress of Theoretical Physics Supplement No. 157
Statistical Physics of Disordered Systems and Its Applications
Proceedings of the International Conference
福島 孝治、田中 和之、西森 秀稔 編集
本号はランダムスピン系をはじめとする不規則系の物性の理論的
研究と確率的情報処理をはじめとする様々の関連分野への応用に
ついての最近の発展に関する国際集会として開催された
STATPHYS 22 Satellite meeting ``Statistical Physics of
Disorderd Systems and Its Application (SPDSA 2004)''
(2004年7月12-15日、湘南国際村センター) の
プロシーディングスであり、そこで行われたほとんどすべての
講演が収録されている。
スピングラスの研究はこの30年ほどの間、統計力学の中心的研究
課題の一つとして多くの研究者により研究されている。更に、
物理と情報の複合領域としての確率的情報処理の分野においては、
情報通信技術、信号・画像処理から計算機科学に至るまでその
個々の問題において定式化された様々の数理モデルがスピングラス
モデルと多くの共通点をもつことが指摘され、これにより物理学者
の情報関連分野への参入の道がこれまでになく大きく開かれつつ
ある。上記の国際会議では 110 名以上が参加し、スピングラス
理論における最近の統計力学としての発展と、確率的情報処理
という物理と情報の境界領域における新しい展開を背景とした
最新の研究成果が報告されている。
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