Brief Summary of Each Supplement
Progress of Theoretical Physics Supplement No. 161
Oscillation, Chaos and Network Dynamics in Nonlinear Science
Proceedings of the International Symposium on Nonlinear Oscillations
篠本 滋, 中尾 裕也, 太田 隆夫,蔵本 由紀 編集
この巻は、2004年11月25日から28日に京都大学国際交流ホールにて
開催された国際シンポジウム「Oscillation, Chaos and Network Dynamics in Nonlinear
Science」 (OCNN2004) の招待講演およびポスター発表を元にした論文集である。
非線形振動は、周期的であれ非周期的であれ、熱平衡状態から遠くに駆動された系に
幅広く現れる。非線形振動の理論は、物理学、化学、生物学、工学、神経科学、
社会科学などを含む幅広い分野において重要性を持つ。
相互作用する振動的要素のネットワークにおいて、コヒーレントな同期的活動が、
いかに生成して崩壊するのか、また、その結果として生じる挙動が
どのような機能的意味を持つのかを理解することは、とりわけ興味深く重要である。
この方針に沿った研究は、科学技術の多様な分野における新しい応用につながる
可能性をも持つため、「結合振動子系」の分野が世界的にますます多くの研究者を
惹き付けていることは、驚くにはあたらない。
本国際研究会の目的は、この分野における専門家と一般の研究者を一同に会させ、
この魅力的な分野の21世紀における新しい方向を探索することであった。
研究会で発表され議論された実験的および理論的成果の品質の高さは印象的であった。
この巻に収録された論文は、OCNN2004への参加者が各々の発表内容に関する最新の
結果を報告したもので、各分野の専門家によって注意深く査読されたものである。
この巻で扱われるトピックは、
(1) 非線形振動子の同期現象
(2) 非線形非平衡媒質におけるパターン形成と時空カオス
(3) 神経系および他の生物系における複雑なダイナミクス
(4) 非線形動力学系の高度な数学的解析, などを含む。
この巻は、この分野における最新の理論的および実験的な発展のサーベイと
なっており、この分野の専門家のみならず、この主題に興味を持つ
非専門家や学生にとっても価値あるものであろう。
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