Brief Summary of Each Supplement
Progress of Theoretical Physics Supplement No. 165
Physics of Non-Equilibrium Systems:
Self-Organized Structures and Dynamics Far from Equilibrium
Proceedings of the 20th Nishinomiya-Yukawa Memorial Symposium
太田 隆夫, 村瀬 雅俊 編集
この巻は、2005年10月3日から4日に西宮市夙川公民館において開催された第２０回西宮・
湯川国際シンポジウム「Physics of Non-Equilibrium Systems: Self-Organized Structu
res and Dynamics Far from Equilibrium」の招待講演をもとに編集した論文集である。
熱平衡系から遠く離れたシステムにおける非平衡現象は、物理学をはじめとして、化学、
生物学、材料科学にまでおよぶ非常に幅広い分野に現れている。これらの現象に関する研
究は、パターン形成理論や統計物理学において極めて重要であるばかりでなく、過去数十
年にわたり尽きぬ興味を駆り立ててきた。しかも、これら諸現象の研究は広範な科学・技
術分野での応用が期待されている。例えば、散逸構造理論は、ナノ・メゾスケールシステ
ムのドメイン制御の問題に適応されている。一方、非平衡物理学の発展は、効率性・安定
性・感受性・適合性などに見られるような生物システムの基本特性の理解にも欠かすこと
はできない。
この巻で扱われるトピックスは、
(1) 単分子の生物物理学、
(2) 極微非平衡系の有効表現、
(3) 非平衡ナノシステム、
(4) 細胞接着のダイナミズム、
(5) ネットワーク・トポロジー、
(6) 非平衡表面化学反応系におけるナノスケール・パターン形成、
(7) 単一DNA分子の動的特性
などである。
この巻は、この分野における最新の理論的・実験的な発展をサー
ベイしており、この分野の専門家のみならず、この主題に興味を持つ非専門家や学生にと
っても価値あるものであろう。
|
|
