PTP
 


Brief Summary of Each Supplement


Progress of Theoretical Physics Supplement No. 196



Frontier Issues in Physics of Exotic Nuclei


Proceedings of the Yukawa International Seminar 2011 (YKIS2011) and
Long-Term Workshop on Dynamics and Correlations in Exotic Nuclei (DCEN2011)

萩野 浩一、板垣 直之、延與 佳子、松尾 正之、中務 孝、山上 雅之 編集


湯川インターナショナル・セミナー2011 (YKIS2011)、「Frontier Issues in Physics of Exotic Nuclei」 が京都大学基礎物理学研究所 において 2011 年 10 月 11 日から 15日にかけて開催された。 また、YKIS2011 と併せ、クォーク・ハドロン科学国際共同研究プログラ ム (YIPQS) の一環である長期ワークショップ 「Dynamics and Correlations in Exotic Nuclei」 (DCEN2011) が 2011 年 9 月 20 日から 10 月 28 日まで の日程で開催された。

不安定原子核の物理は、中性子ハローが発見された1980年代後半から 急激な発展が始まった。 これまでに、不安定核がもつ核子多体系としての新たな特徴の数々や、 天体物理現象との興味深いつながりが明らかになっている。

YKIS2011シンポジュウムでは、最前線で活躍する世界の専門家と若手研究者が 一同に会し、不安定核の最新の話題をめぐって活発な討論が繰り広げられた。 不安定核の研究課題の多くは実験と理論が車の両輪のように協力し合い解明が 進んでいる。このことを反映して、今回のシンポジュウムでは、実験家と理論家 のアイデアの交換に重点が置かれた。

一方、長期ワークショップ DCEN2011 は、理論研究の最前線を議論する場として 企画された。第一原理計算から密度汎関数理論、共鳴・クラスター構造から 直接・重イオン反応にわたる幅広い問題が討論された。 分子物理や物性物理の理論家を交えた学際的な討論も企画され、DCEN2011 の 大きな特徴となった。

本誌は、YKIS2011 の招待講演および一般講演の原稿と、DCEN2011 から選ばれた 6つの招待論文、うちひとつは分子物理学の最新の話題に関するもの、をまとめ たものである。 不安定核や量子多体理論に関心のある研究者、新たにこの分野を研究しようとす る若い方々にとって有益な文献となることを期待している。


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