麹菌
麹菌と遊ぶシリーズ
(~20131222. 20140410: 「あずき」版追加
)
麹菌の出す酵素によって片っぱしからでんぷんを分解してみるシリーズ.
麹菌をできるだけ元気に保つように,水をできるだけ少なくしてつくる.
みてみるとわかるが, 今のところ実用性はほとんどない!
注意
普通に考えて, 体によいのでは?とは思うが, 情報がないので
健康面, 安全面について保証はしない. とりあえず,
いろいろ味見した本人が現時点, 正常にしてしていることだけは確かである!
(ただし「あずき1」の「注意」に注意!)
里芋
材料は里芋中2個, 乾燥米麹100cc と里芋をゆでる水.
里芋中2個を皮をむいてスライスしてゆでる.
ゆでた里芋を器に移してできるだけつぶす.
(ゆで汁は入れない)
乾燥米麹100ccを入れて混ぜる.
あとは40℃ぐらいで保温して待つだけ. 1時間で明らかに甘くなる.
5時間で十分.
米こうじを加えて混ぜたところ.
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1時間で既にこうなる.
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2時間後, これ以降, そんなに変化はなし.
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ジャガイモ
材料はジャガイモ大1個, 乾燥米麹100cc と水.
ジャガイモ大1個を皮を半分にして鍋で少量の水で蒸す.
皮をむいて(手でむけるはず)蒸したジャガイモを器に移してできるだけつぶす.
(マッシュトポテトにする)
乾燥米麹100ccに, 水(ゆで汁の場合は50℃以下に冷まして)50ccから100ccを
入れて混ぜる.
あとは40℃ぐらいで保温して待つだけ. 1時間で明らかに甘くなる.
5時間で十分.
マッシュトポテトに米こうじを加えて混ぜたところ.
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5時間以上経過;完成図.
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結果
どちらもとにかく甘くなる.
結局のところあまくないイモからサツマイモをつくったようなものだ.
(ならばサツマイモを買えばいいじゃん!という感じであるが,
サツマイモよりも全然甘くなる. )
これに水適量を加えて甘酒にする予定だったが,
里芋の方は, 味はともかくぬるぬるすぎて気持ち悪い.
ジャガイモの方は一応飲み物としていけるが,
結局(もち)米の甘酒の方がダントツでうまい(-_-).
使い道
里芋の場合, とりあえず味噌汁に使える. 味噌1に対し,
上の里芋麹2まで入れても味噌汁であり続け, まろやかな風味が増す.
しかし, あらかじめ味噌1と里芋麹1から2を混ぜて保存した方が
おいしいような気がした.
その他の使い道については悩ましい.
そのまま食べてもおいしいが...
味的にはそのまま栗きんとんのかわりになるが
そのままでは水分が多くて形にならない.
(発酵段階でさらにゆるくなるので.)
その他のお菓子に使えるか,
塩をまぜて塩麹のかわりにするか...
ジャガイモ麹の場合, 甘酒のように飲んでみても少し
違和感を感じるのはたぶんジャガイモの持つ「えぐみ」のせいだと思われる.
蒸留せねば使い道がないかも...
以下, 今のところさらに利用価値のない実験.
あずき
材料は乾燥米麹100ccと茹でたあずきを以下の写真程度(分量忘れた...)
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茹でたあずきを水を切って器に移してできるだけつぶす.(1つ目の写真)
乾燥米麹100ccを入れて混ぜる. (2つ目の写真)
ここから2つのことを実験する. [あずき1]はあずきのでんぷんをできるだけ分解する実験.
「あずき2」は麹カビをはやす実験.
「あずき1」
上の状態のものにあずきの茹で汁を適量加えて40℃から50℃にして4時間以上おく.
結果
かすかに甘くなる程度でおいしくはない. あずきはでん粉とたんぱく質が主成分らしいのだが,
どうもでん粉は多くないようである.
(ただし, あずきの量が足りなかった可能性もある. )
一方, 味噌は麹(の酵素)で主にたんぱく質を分解してできるものだが,
甘酒を作るときの「短期間+高温」という条件はでん粉を分解するためのものであるようで,
たぶんたんぱく質を分解するにはあまり高温にせず長時間かけるのであろう.
単にあずきからでん粉が少し分解されてかすかに甘くなったものができあがる.
甘酒に少しまぜるとおいしく飲めるかもしれない.
注意
これをガラスビンに入れて1ヵ月以上保管したものをおそるおそる,
一回80℃程度にした後(菌を殺したつもり)少量飲んでみる.
ついに腹に違和感がきた!腹を壊すにはいたらなかったが, 1/4日ほど,
明らかに腸が「異物が入ってきたぞーー」と警報を鳴らしていた感があった.
やはり水分少なめ, 長期保存などで菌自体を活性化させるのは危険を伴うかもしれない.
十分水を入れて酵素の働きのみを利用するのが安全だ.
「あずき2」
上であずきに米麹を混ぜた写真の状態から浅い皿に移し, ラップをする.
35℃を超えないように気をつけつつ
できるだけ湿度を多くし, 35℃に近い温度にして保存する.
この実験は2月だったので, 保温+湿度を保つためにパスタポットに40℃程度のお湯をはり,
その中にお湯につからないように試料を入れた皿を入れてそのパスタポットにタオルをかぶせる
などしてしばらく放置し, さめたらまだお湯の温度を40℃程度に引き上げ同様のことを繰り返す
ということを行った. その間, 温度が室温程度に下がったりもしたが問題ない.
35℃以上にしないことが重要.
結果
麹カビが生えた!
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試料作製日時が2014/2/8(19:16),
カビ写真は順に, 2/9(0:24); 2/10(2:31); 2/10(11:56);2/10(23:46);2/11(17:14)のもの.
麹カビ(胞子)について
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空気に触れている部分にカビができやすいので浅い皿を使った.
表面の方からカビができる.
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実際に(売り物の)米麹は蒸した米にとても少量の種麹をかけて
十分な湿度と35℃を慎重に保ってつくられる(らしい).
それど比べるとここでは比率的には種麹の乾燥米麹をとてもたくさん使っているので
温度管理等は適当でも麹カビは生えてくれる.
炊いた米でなく蒸した米が使われるのは, 炊くと米が水分を多く含みすぎるからである.
これに種麹をまぜると水分がおおすぎてべちゃべちゃになってカビも生えにくくなる.
茹でたあずきは, 茹で汁をきると水分がかなり少ないのでカビを生やすのには向いている.
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これを使うのが目的なのだが未だ成功していない. (もち)米にこの麹カビ付きあずきを
入れてみると一気につっぱいものができてしまう.
うまく酵素がたくさん生成されていないのか, とにかく酵素の働きより
カビ自体が活性化して発酵してしまっているようだ.
むむーーー. 今後挑戦を続けるかどうか, 微妙...
おまけ:甘酒+カビ
(もち)米から甘酒を作る際, 水を加えたが, 水を加えなかったり減らして40℃ー50℃で
保温しても十分甘くなる.
もち米を炊いた時点で, 酵素でもち米のでん粉を加水分解するための水分は含まれる.
水分を減らすとカビ自体が活性化しやすくなるので, 甘くなったあとで
水分を加えて甘酒にすると少し風味の違ったものができる.
さらに, 食感としては, 米の一部が固いまま残りやすくなる.
このことを踏まえて....
- 水を減らして甘酒(のもと)をつくる.
- 甘くなったものに, 甘酒として飲むのにちょうどよい味になるように水を加える.
- 茶こしなどで濾して液体部分を甘酒として飲む.
- 残ったかすの部分を浅い皿に入れてラップし, 湿度を保ち35℃程度に保つ.
ということをすると, あずきほど生えやすくはないがあずきのときと同様に麹カビが生える.
ただ, 上で書いたように, 甘酒を飲む分には水を減らさず通常の作り方で
(麹菌の活性化をおさえ, 酵素の働きのみを使って)作った方が無難だと思う.
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