日記 (4月)


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主な予定

  1. 4/8: 前期授業開始(月、火の午前2コマづつと金曜の午後の卒研。そし て木3の現代文明論?)
  2. 4/14: 月曜の授業始め
  3. 4/15: 物性研究編集会議
  4. 4/17: 教授会(理大会議室)
  5. 4/18: 人事会議(理439)
  6. 4/24: 現代文明論(J227)
  7. 5/8: 理研セミナー 5/9: (午前)東工大、(午後)東大佐野研セミナー。 5/10: 松下還暦パーティーでtalk(東京)
  8. 5/23: 人事会議
  9. 6/4: 凝縮系セミナー
  10. 7/30-8/1: ソ フトマターの物理学2003−普遍性と多様性(基研)
  11. 8月5日(東京)
  12. 9月2-4:院入試
  13. 9/17-19: 応用数理学会(京大)
  14. 9/20-23学会(岡山)
  15. 9/24-26 集中講議(神戸大)
  16. 11/26-12/1:国際会議(Wales)
  17. 全然終らない本(〆切はとっくにすぎた。原稿はとっくに書いたのだが。。)

5月


4/30:

一昨日のモデルは欠陥があることが分かったので改良を図る。元の結果に近いぞ。 工夫の甲斐がない?

狐崎氏のセミナー。実験からするともう4年たっている研究で経過を何回か聴く 機会はあった。進歩は決して早いとは言えないが着実に実験->DEMのシミュレーション ->格子モデルのシミュレーション->方程式の縮約による理論的理解と進んでいる。 大変な労力だったと思うがゴールが見えて来たところだと思う。

8月に北海道に行く計画が浮かび上がる。6月に近場でという話もあるがどうなるか。 何にせよ楽しそうな話である。


4/29:

子守ということでレフェリーの論文をノートを取りながら読む。難しくて泣きが 入る。やっぱり受けるべきではなかった。またレフェリーがたまってきつつある。

undulationの理論はちょっと混乱している。もうちょっと頭の整理が必要。

借りてきたダワーの「敗北を抱きしめて」を読む。半分強。占領時代の日本の詳細な 記録と分析であるが日本人でなくアメリカ人が書き、それがアメリカで高い評価を 受けたところが面白い。内容は断片的には知っている話が多いが全体として迫力の ある物になっている。特に占領政策の一貫としての天皇の扱いがよく書けている。


4/28:

授業2つ。レスポンスが今一か。1年は記号だけでひっかかるので不思議だ。まあ 理屈はともかく長年やっていると大体どこでひっかかるかは分かる。

昨日のアイデアを実装していろいろパラメータを動かしてみる。元のDEMよりずっと それっぽいのが出るようになってきた。勿論鵜川さんの見事な 実験とは比べるべくもないが。もうちょっと調べてみる価値がある。ちょっとした アイデアで時間を節約できれば嬉しいのだが。


4/27:

午前は図書館に行って、午後は長男と大原の寂光院までサイクリング。 数年前の火災のせいか、観光シーズンにもかかわらず寂光院のまわりは閑散として いた。大原野のひなびた感じはよかったが、八瀬遊園も潰れて 大原街道そのものが元気がなかったように感じた。

楕円要素のシミュレーションができるかどうかを考えてみた。しかしどう考えても 楕円要素の接触判定は面倒で、数ヵ月を潰しそうである上に考えたアルゴリズムで は重くて使いものになりそうもない。連結粒子のシミュレーションは芸がないので いい手はないかと考えたところ、すぐプログラムを組めて、計算速度に関する負荷は 殆んどない、いいアイデアを思いつく。試してみる価値はありそうだ。       


4/26:

いろいろパラメーターをいじってみたがどうもきれいなundulationはでない。 実験も球の場合はあまりきれいでないので仕方がないのかもしれないが、すぐ にrippleになってしまう。楕円にすれば出ると思うがちょっと面倒で自分でや る気は起らないがどうしたものか迷う。(物理的にも楕円が出て円ができにく いというのは自明な気がする)。とりあえずDEMより先に弾性板をやってみ るか。

とりあえずWalesの研究会への登録はできたようだ。9月の方がnormalなテーマ だが11月のはGeophysical flowsも論じるので聞く分には楽しいかもしれない。 それまでに何か結果を出さないと。

金君の結論はやや意外だった。もっとも僕の勧めていた方向ではあったが。


4/25:

Perssonの本はしっかり読むとなかなか面白い。摩擦と粉体は共通する部分が 多い。まずは弾性論が全ての基礎になる。4年がしっかりしているので卒研も 楽しみである。

バグ取り。とりあえず取れたようだ。しかしまだパラメータサーチが不充分。 実験と同じ値を入れてみるのも手だが多分違う値をいれるべきなのだろう。 それが終ってDEMできれいに再現したら次は弾性モデルのシミュレーションを して、その間の関係を調べる。

確率論の研究会はともかく動き出す。後期にどこかで行うことになるだろう。 数理的な研究会も楽しいし、得るものも多いだろう。実験に足場のある話とは また違った愉しさがある。


4/24:

11月の会議はWalesか。詳細は不明。

結局現代文明論は誰もこなかった。良かった。そもそも需要がないのだから開 講さすなと思うが。一応準備はしていて「知的詐欺」「背信の科学者たち」 「反=科学史」「ルィセンコ学説の興亡」を前期に読んで最近の捏造問題でも 調べさせたら文系にも面白いのではないかと思っていた。そういうのにくらい つく学生がいたら面白かったかもしれない。

昔の教養部で高校時代に読んでいた本(新書)の著者が講議するので喜んで登 録したらたまげたことにその本を1年かけて?講議していた。(1月で出なく なったから本当はしらんが、単位は取った。) そんなもの高校生でも2時間もあれば読み終わる。そういう講議をしていたら 駄目だと思ったものだ。

確率過程の研究会を持ち掛ける。話に乗るかな。

数値計算をやってみるがどうもおかしい。

応用数理学会の講演依頼あり。メンバーから判断して(非弾性を含む) Boltzmann方程式の話をすればよさそうだ。


4/23:

科研費などの事務書類作成。意外とお金の使いかたで迷ってしまった。

Jenkinsに誘われていた研究集会 への参加を検討して連絡するとWorkshopの日付が変更。11月下旬に別の 会議があるとの報告。 9月中旬の方が良かったが11月祭を利用すると何とか参加できるかな。

セミナーは大規模計算の難しさを窺わせていた。


4/22:

朝から2つ続けて熱力学を講議すると2つ目の途中でおなかがすいてくる。

科研費がようやく当たる。3年間は安泰か。しかし落るときと通るときの基準 が分らない。それにしても書類の提出期限などで事務が混乱しまくり。こうい う書類は宇宙物理教室に出すことになる。関連して学振の受け入れ等も教室の〆 切が理学部の〆切より早い(表紙が24日で本体は7日だそうだ)。それにして も〆切が早い。

科研費の使い方を考える。大体申請書の通りだが、申請段階では在外研究をま た計画していたのだがさすがにしんどいか。Jenkinsが言っていた滞在型の Workshopに行く方向で検討を始める。それやこれやで落着かない。

おお本郷で統計力学の教授の公募があるのか。ようやく統計の教授がいない事 態が解消されるのか。


4/21:

そろそろ学振で学生が浮足立つ季節である。京大は(改組のせいか) 例年にもまして〆切が早く、他大学から抜きん出た状況になっている。例えば 理学部は28日に1枚目を提出(本体はずっと後)であり、人環は30日に 全てを提出しないといけない。そうするとPDは逃げると思う。國仲君は提出先 は決っているが金君はどこにするのか。多分某研究室だろう。

授業2つ。概ね無難だったが△(1/r)=-4πδ(r)の証明がノートに書いておら ずアドリブになってしまった。1回生が部屋まで質問にくる。

昼食会の後、金君のExtended Thermodynamicsの簡単な紹介。

阪口さんから電話があったのでDEMの大規模シミュレーションの必要性につい て作文をする。

鵜川さんの見事なundulationの実験movie.


4/20:

稲盛財団の集まり。甘利さんの講演より広中さんの5分の前振の方が印象に残っ た。その後の立食パーティーでは基本的に知り合いとしか喋らなかった。専門 分野での地味な立派な業績と人気はあるが専門的な業績の正当性について疑問 がある場合にどう判断するかは難しい問題である。


4/19:

事務書類作成。時間がかかった。


4/18:

午前は初等的な方程式の導出を行なってよく知られた結果と一致することを確 かめる。まだ床の効果が入っていない。

4年ゼミは2回目で早くも5章に入り50ページを越えた。学部で英語の教科書 を使うと本読みに終始して何も進まないというパターンになることがままある が学生がよく準備をしているのでそれは避けられている。摩擦全般に関する常 識が必要なので個々の計算以前にいろいろ常識を身につけないといけない。

理物での会議。集まりが遅い割に意見は結構でる。やれやれ終わったと思った ら面倒な宿題を出される。


4/17:

理学研究科教授会。だいぶやりかたが違うので戸惑う。教授がものすごく大変 そうなシステムだ。教授会でS6のメンバーを発見する。工学部はもう今年から 移転を始めるのか。淋しくなる。と同時にキャンパス内の通行ができなく なる箇所が更に増える。もう迷路並である。

弾性論に基づき少し考えるが何とも初歩的なところでストップ。

明日は学内非常勤扱いの授業だからハンコを忘れないようにしないといけない。


4/16:

今日はひさしぶりにすっきりとしている。

間抜けなことにうっかり副専攻の現代文明論の授業担当は可能かという問に可能 と答えてしまったので授業をやらされることになってしまった。履修要件に物 理学概論の単位取得と書いたので履修者はいないと思うが...まずった。講議 数が増えすぎて収集がつかない。そもそもスケジュールに空きがない。

同様に迷った論文のrefereeを引き受けてしまった。断りにくいということも あるが専門と直結しないがバックグラウンドでは必要で面白そうだから時間を かければと回答してしまった。うーむ。これは読むのに時間がかかる論文だ。

ASEP論文のコメントがくる。マイナーなものなので殆ど改訂はその日のうちに 完了。

セミナーは修論の発表より歯切れが悪かった。


4/15:

午前に熱力学2つ。やはり2コマ目の方が進度が早い。自由エネルギーが ポテンシャルに似ていることを説明しようとしたら1年からポテンシャルを 知らないと言われる。1年と2年が混在すると難しい。

それやこれでつかまって物性研究の編集会議に遅刻。凝縮系でセミナーを やることになった。電子系の人の前でセミナーをやったことがないからどうい う準備をすればいいのか分らない。

帰って来てからM1の光藤君と議論。境界条件をいじらなくても重力があると底 の方は流れにくくなる。

9日の主は体調不良とのことで京都に現れず。セミナーはどうなった。やりすぎだか ら流れた方がいいかも。

昨年11月にあった川崎さんの講議はうちの院生には難しかったようだし、か なりchaoticな内容だったと聞いているが、当時4年の学生(現小貫研)が完 璧な形の講議ノートにして提出した。信じ難いことである。この学生は将来頭 角を表すのではないかと期待する。


4/14:

授業2つ。普通の用意していなかったから普通だった。熱力学よりはだいぶま し。もうちょっと乗ってこないかな。物理だと薬学部でも男ばっかりだな。

お腹の調子が悪い。

研究室内ミーティング。改組に伴う事務連絡が多い。


4/12:

寝付きが悪い。「私は暇潰しに読書する人を憎む。」それはそうだ。

河原君の修 論(九大中西研D1)はよく書けている。大規模MDが出来て理論面もしっか り抑えている。うちのM2がやろうとしていることの大半はやってあるという感 じだ。

昼行灯状態だから仕事にならない、ということで例によってreferee's report を書く。

授業準備はこんなものでいいのかな。特別なことはしない(できない?)。講 議でパフォーマンスが出来る人が羨しい。才能がないのか努力が足りないのか。 私のは聞いていても面白くない講議だと思う。

委任経理金の報告書が2つあった。一つが一杯書かせるので嫌になった。


4/11:

寝床で本を読んで余計に頭が痛くなる。いかんな。

ファイト.

住所は左京郵便局に申し出ることで特に変なコメントをつけなくてよくなった。

卒研ゼミ(統計物理学ゼミナール)の第1回と理物第1教室の専攻会議と運営会議 に重なる。さすがに会議が多そうな組織だ。往復時間を考えると今までより更に時間が なくなるおそれもある。

肝心の卒研ゼミは4年の学生の準備が素晴らしかった。

卒研ゼミを途中で切り上げて運営会議には出席。物理が不人気で定員割れを起こし ているという話を聞いて阿然とした。昔はじゃんけん必勝法が大事で課題演習は 半年取れない学生も多かったのだが。会議後、山本さんに物理図書のカード等の 便宜を図って頂く。

ちょっと手をつけたが糸口になるかどうかは不明。

DEM projectは採択される。しかし32人もの大勢の分担者がいるので何か変わ る訳もないだろう。とりあえず10^9個の粒子シミュレーションの結果は見たい ものだ。そこに物理をつけられるか、あるいは物理から大規模シミュレーショ ンを要請できるかということだろう。 (付記)このプロジェクトにはお金はつかない。地球環境シミュレーターの CPUが貰えるだけ。


4/10:

やっぱり移籍でいろいろ混乱がある。TAは理学部扱いだが向こうは把握してい なかった。M1の奨学金は不利になりそうだ。郵便の誤配は沢山あるとのこと。 人環気付としないと駄目だそうです>各位。

難しい。手がつかない。鵜川さんの実験は決定的なのだがまだ難しすぎる。 (単に頭が悪すぎということかもしれないが)。アーチ一つとっても摩擦の不 定問題にひっかかるので解が決まらない。粘弾性効果で変な反発をするのもう まく数学に乗らない。

最近の エネルゲィーケは歴史認識はどうなっているのか?Isingは臨界現象でもとも と特別な地位にあったのがWilsonが うそのようなGLW Hamiltonianを使って鮮かに繰り込み群を展開したから特別 の地位からひきずり下されたと思うのだが。その前の方がIsing病とか統計力 学の人にはより深くかかわっていたと思う。小口さんの本を読むとそういう印 象しかないし、いくらも資料はあるだろう。

イギリスでは「変なモデルを作ることが理解するということだ」というのが (元祖)エネルゲィーケの揶揄だった。確かに電磁場の中に歯車があったら困る。 しかしもともと統計力学はBoltzmann以来モデルに頼ってきてそれで熱力学で は到達できないところに行けたのだが。


4/9:

一応論文 の宣伝をしておくと本の53,54ページに書いた問題提起に対する解答 になっている。また時間発展と同じタイムスケールで輸送係数が変化すること を明らかにしてSantosに一矢報いることができたのができたのが収穫。

まだ論文の訂正そのものは終わっていないのだがここで一息入れる。というこ とで振動層の問題を考えるが、1月前のことでかなり忘れているし頭の使いか たが違うので全然駄目。

おおやっぱりASEPは使える。デモを東京で見せられるだろう。M1は優秀だ。

セミナー依頼の電話があって、詳細は後のメールで、ということだったが来な い。まあ本人が火曜に来ると言ってはいたのだが。

資本主義はしかたがないが張り子の虎に皆吸い取られるのはやりきれない。尾 を引かないといいが。


4/8:

御陰様で全然眠れなかった。高校の時は眠れないときに「復活」や「宮本武蔵」 を読破して完徹をしたことがあったが、今晩はひたすらおとなしく布団の中に いた。

何故か翌檜を思い出した。翌檜は明日は檜になろうと思っても檜になれない。 むしろ翌檜であることを自己認識の第一歩とすべきなのだろう。しかし稀に檜 になる翌檜があるから話がややこしい。(念のため、本当の翌檜は檜になれな い)。しかし実は「あすなろ物語」の印象は薄い。むしろ「しろばんば」「北 の海」「夏草冬濤」の三部作の印象が強いせいか。

東京遠征の日程が大体決まる。理研の(今度こそ)Noriを訪ねてセミナー。 翌日は午前は東京工業大学で議論。午後は本郷の佐野さんの所で(まともなネ タで)セミナー。翌日の午前は農工大に行って、午 後は松下記念セミナーとパーティー。毎日講演で疲れそう。そして多分日曜に 法事。

さて今日から授業。体調と気力は最低なのでやはり精彩がなかったかな。1コ マ目より2コマ目の方が人数が少ないのはどうなっているのだろう。昼休みは 交通整理のために豪雨の中外で立っていた(意味なし)。

さすがに眠くて仕事にならない。

論文.

昨日届いたもう一つの refereeも終了。初見の原稿ではないから簡単だった。

「あすなろ物語」を読みたくなり読む。最初の2つの話はよく覚えていたが、 後の4つは記憶に残っていなかった。やはり三部作を読めば不要な作品だな。


4/7:

投稿した。こんなのでいいのか一沫の不安があるが。

頭の痛いことあり。こんなことばっかりでいい加減嫌になる。

頭が本格的に痛いので今日来た2つのrefereeのうち一つを速攻で仕上げる。 前にpreprintで読んでいたから一瞬にしてレポートは終了。もう一つも、すぐ 終わるだろう。

佐野さんからのメールがMLに流れたようだ。宇宙実験に乗ってくれるならこれ ほど強力な人はいない。

それにしても東京だから早く着くという訳でもなく、到着順序はかなり謎。


4/5:

図を決めて原稿のダイエットを図る。しかし今一だな。もう少し。

川崎さんから本の詳細なコメントを頂く。川崎さんに指摘されるまでもなく粉 体は統計力学のオーソドックスなテーマの延長上にある。実際、 Ernst, Dufty, Oppenheimといった老大家が粉体を研究していることは偶然で はない。日本での粉体研究の停滞は難しい研究対象を前に川崎さんのような経 験のある大家と若手の間でうまくコミュニケーションが取れなかったことにあ る。それだけでなく日本での統計力学の分野の輝かしい伝統が途絶えようとし ているのも世代の断絶のせいかもしれない。(というのは川崎さんの意見でも ある)。

本に書いた通り粉体でもMode Coupling Theoryが有効であることは間違いない。 しかしその適用は難しい。M2はまさにその難しさ故に研究(という勉強)が停 滞している。粉体のように歴史を踏まえて進歩すべき分野の場合は勉強しなけ ればならないことが多いのが問題である。


4/4:

ちょっとだけ進む。(線形化による)解析計算を数値的にチェック。問題なし。

M2と打ち合わせ。うーん。テーマを考えなおすべきか否か。


4/3:

論文はあまり進まない。というのは突如電話がかかってきて粉体工学会誌の Texのスタイルファイルを作ることになったため。極めていい加減に雛型を作っ て送る。それでも時間が潰れた。

本の到着の報がちらほら。その中でプロジェクトが大人数化して当初の目的の 実現が難しくなるのは予算の執行側が要請するからという意見もついていた。 そういえば人環みたいに訳の分らないものができたのは明らかに当時の文部省 の意向のためだ。官僚はどうしてろくでもないことのOptimal solutionをかく もみごとにみつけるのか。大体官僚の反対を向いていたら間違いはない。

念のため昨日の議論に補足。 Routine workであろうとなかろうと一定の水準の論文を書き続けられるという のは偉いと思う。実際、力みかえって下らない論文を書くよりも往々にして 肩に力の入っていないいい論文ができたりするものだ。偉い人は皮肉でなくて 偉い場合が多いのでややこしい。


4/2:

原稿はようやく形になってきた。短いと思ったが現状ではかなり長い。もうちょっと ダイエットが必要。

DEM projectの申請書類を見る。面白そうだが大所帯になりすぎて、通ったらそれで 問題が生じそうだ。

田崎さんの3/30の話は奥歯に物がはさまった様な書き方なので、どういうターゲット が批判の対象かはっきりせず、殆んどの人は自己防衛のために反発せざるを得ない。 ここで彼の日々の言動から行間を読んで、勝手に批判の対象を偉い人に限定する。 彼が念頭に置いている批判の対象の偉い人と田崎さんの違いは

  • 田崎さんは学生をもっていない。
  • 田崎さんはプロジェクトに参加しないし、不要なお金を持っていない。
  • 田崎さんは研究会や国際会議の招待を断る勇気がある。
ということに起因する気がする。逆に言えば(理論に限定すると)偉い人は
  • 学生の指導のために結果の出やすいテーマを探さないといけない。
  • 学生の指導のためにお金がいる。
  • お金はオリジナルな仕事をしようとしても貰えず、時流に乗った2番煎じの 研究にお金がつく。また審査は概ね質より量が重視される。
  • お金がつくとその結果を出す義務が生じる。そうすると冒険はしない。
  • すると招待講演とかが増える。講演の準備のために時間がなくなる。
  • ますます冒険をしなくなる。
というループに入ってしまうことを批判しているのだと思う。その意味で私なんか も今は科研費もない貧乏人だが、プロジェクトが動き出したりすると 安直ループに入って偉い人になってしまう危険性は常にある。

やっている当人がそういった仕事を面白いと思うかどうか、面白くないのではない かと推察する。やっている仕事は理論屋冥利に尽きるというよりはお金の配給係 みたいな面が重要で、殆んどは部下を顎で使って、 せいぜい手を動かすのはroutine workですむ部分である。 しかしいろいろな 意味で忙しくなっていくと 部下に任せた仕事というのが徐々に増えていくのは避けられない。 またこまごました事をこなす時間はなくなるので大局観(という言葉で 逃げる)をもって事にあたり部下を指揮するのは悪くない。まあ大抵の 場合は理論家は現場を離れると大局観もなくなるのだけど。

しかしながら凡庸な研究者にとってはプロジェクトの誘惑は避けがたいものがある。 容易に情報交換ができるだけでなく、役割分担によって不得手な部分を避けて 研究することができる。更に討議によって見えて来なかったものも見えてくる。 うまく行えば確かに研究面に大いにプラスに作用すると考える。 逆に言えば田崎さんのような立場を貫いて研究能力を維持できる人は多くない。 そのことはほぼ同じ状況が実現されていた各大学の旧教養部で研究が必ずしも 活発に行われていなかったことを考えても分かる。 (ここに年齢による能力の衰えと、雑務の増大と周囲のプレッシャーによる 効率的な研究成果の要請が加味される)。 このように研究者はプロジェクトにはまっていくのだが、そのため 身動きができなくなって失敗する場合も稀ではない。そうして田崎さんの批判対象が 日々生産されていくのである。

さて私の明日はどっちだ。(科研費とかが保証されていたらじたばたする必要は ないのだが。)


4/1:

新年度。所属が変わりました。居場所はそのままで授業負担も基本的に変わら ないので事務は混乱しそうだ。所属は

所属: 京都大学大学院、理学研究科、物理学・宇宙物理学専攻

住所: 606-8501 京都市 左京区 吉田二本松町 (吉田南構内)

ということになります。実は宇宙物理学教室に属することになるらしいのです が教室会議等は物理第1教室のそれに出席します。研究グループは人環に 残る冨田、佐野のスタッフとM2以上の 大学院生、早川と武末とM1の光藤君が理物になります。書いていて頭が痛くな るので部外者は余計分らないでしょう。

講議が全学科目だけで前期4コマあるとちょっと準備が気になりだした。 電磁気学続論は誰も希望者がいなかったので仕方なく旧教務担当の私が やることになった科目であり、教えるのが難しい科目である。ということで ちょっと易しめに全面改訂をすることにした。

方針が変ったので原稿はまるで進まず。

Duftyが確かめたところによると熱流q=-κ▽T-μ▽nでのμが負になっても物 理的におかしくはないとのこと。御手洗さんの意見の方が正しかった訳だ。 しかし正になるべしという誤解から正解にたどりついたのでよしとすべきだろ う。

今回の仕事は粉体ガス業界にとってはいろいろ重要な結果を含んでいるが 一般の人には面白くはないかもしれない。


3月