2005年はアインシュタインの3つの大きな発見、特殊相対論、光量子説、ブラウン運動の理論、が提出された年です。これを記念して国際的に「世界物理年」（英語名は、2005-World Year of Physics）とするということが決定されました。物理学の発展と成果を、できるだけ多くの方々に伝えることなどの企画が予定されていますが、同時に、科学の成果が社会でどう位置づけられるのか、それを考える年でもあります。科学技術の発展は、現在の私たちの文化的科学的生活を支える基礎となっています。しかし、また、アインシュタインは、原爆製造をルーズベルトに進言したことも知られています。アインシュタインはどうしてそんなことをしたのでしょうか。日本に原爆が落とされて、その悲惨さが世界の人々に明らかになりましたが、その後アインシュタインは、このことをどう考えたのでしょうか。アインシュタインはラッセルなどと共に、世界平和を構築する科学者の運動を立ち上げ、そして平和についていろいろと考え行動しました。2005年は、広島・長崎の原爆被爆から６０年、ラッセル・アインシュタイン宣言の５０周年にあたります。科学の成果が人間の幸せのために使われるために、そして戦争に利用されないために、核廃絶と国際紛争の武力によらない平和的解決のために、科学者自身も力を尽くそうという目的でパグウォッシュ会議が発足し、その努力をみとめられました。２００５年はまたノーベル賞を受賞１０年目にあたりますが、日本の広島で再びパグウォッシュ会議を開くことが予定されています。アインシュタインをはじめとして、勇気ある科学者達が平和運動を続けてきたにもかかわらず、今日でもいまだに核を保有している国がありますし、戦争の危機は今も尚、深刻な形で世界を覆っています。原子力に限らず、科学技術は裏返せば兵器になるものがほとんどです。安全性を無視し、目的が違うことに利用しては、せっかくの技術も何の意味もなくなってしまいます。この機会に、科学と社会との関係を深く検討し、今までの歴史のなかで科学技術がどう社会に関わってきたかを、さまざまな方向から考えてみたいと思います。そして、学生のみなさんだけでなく、より広範な市民との交流の場も設定して、いろいろな視点から、科学と社会の関わり方を議論してみたいと思います。
一部公開講演会の形で行います。具体的な日程については、第１回目の講義の際に発表します。講師を招いて講義をしていただき、学生との討論会を開催するという形で、行う予定です。 「アインシュタイは悪者か」というパネルディスカッションを学生の調査発表を中心に行ってみようとおもっています。物理学者でアインシュタインの仕事を解説してくれる人やアインシュタインの研究をしている人を招いてお話してもらうつもりです。
公開講演会情報
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各講師の授業採点とコォーオディネータによるレポート評価による総合評価 講師の都合によりプログラムを変更することがありますので、掲示に注意して下さい。