タイムテーブル (素粒子)
時間 | ||
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10:00〜10:15 | 受付 | |
10:15〜10:30 | 開会式 | |
10:30〜12:10 | 研究発表 (素粒子) |
10:30-10:55 中井 雄一郎 (京大基研 D1) 10:55-11:20 小川 軌明 (京大基研 D2) 11:20-11:45 西中 崇博 (阪大理 D2) 11:45-12:10 藤田 充俊 (京大理 D2) |
12:10〜13:10 | 昼食休憩 | |
13:10〜14:00 | 研究発表 (素粒子) |
13:10-13:35 高力 麻衣子 (京大基研 D1) 13:35-14:00 大谷 聡 (神大理 D3) |
14:00〜14:10 | 休憩 | |
14:10〜15:50 | 研究発表 (素粒子・原子核共通) |
14:10-14:35 村田 仁樹 (京大基研 素粒子D2) 14:35-15:00 上門 和彦 (京大基研 原子核M2) 15:00-15:25 菊池 徹 (京大理 素粒子D1) 15:25-15:50 入谷 匠 (京大理 原子核M2) |
15:50〜16:00 | 休憩 | |
16:00〜17:30 | 招待講演 (素粒子・原子核共通) |
白水 徹也 (京都大学理学研究科 天体核 准教授) |
18:00〜20:00 | 懇親会 |
会場: 京都大学理学研究科6号館
- 開会式、素粒子パート: 202号室
- 原子核パート: 201号室
- 素粒子・原子核共通: 202号室 (401号室に変更の場合あり。)
講演者・講演タイトル及び講演概要 (素粒子)
「強結合ゲージ媒介模型による超対称性の破れ」
中井 雄一郎 (京都大学 基礎物理学研究所 素粒子論グループ D1)
ゲージ媒介模型は、超対称性の破れをMSSM に伝える機構の有力な候補の1つである。
本研究では、この枠組みにおいてとくに超対称性の破れのダイナミクスに関与しない
強結合のmessenger sectorを含む模型を構築し、
それによって超対称性の破れがどのようにMSSMに伝えられるかを調べた。
「Kerr/CFT対応とその拡張について」
小川 軌明 (京都大学 基礎物理学研究所 素粒子論グループ D2)
量子重力を研究する上で、ゲージ/重力対応は現在非常に重要な要素となっている。
昨年、Kerrブラックホールに対応するゲージ理論を考えることでエントロピーを
統計力学的に計算する処方箋が発見され、Kerr/CFT対応と名付けられた。
本講演では、このKerr/CFT対応の概要を説明するとともに、
その拡張および理解の試みについて、我々の研究を中心に簡単に紹介する。
「Holographic Renormalization Group with Gravitational Chern-Simons Term」
西中 崇博 (大阪大学 理学研究科 素粒子論研究室 D2)
我々は重力Chern-Simons項を含む3次元重力理論(Topologically Massive Gravity)においてgauge/gravity対応を考えることにより、parityを破るような2次元場の理論のくりこみ群flowを得た。
この講演では、AdS3/CFT2対応の入門から始めて、最後に我々の得た結果を紹介したい。
「Fractional Quantum Hall Effect via Holography: Chern-Simons,
Edge States, and Hierarchy」
藤田 充俊 (京都大学理学研究科 素粒子論研究室 D2)
本研究において、分数量子ホール効果(FQHE)を記述する理論のいくつ
かを超弦理論から導出しました。D=3 N=6 超対称Chern-Simons matter理論(ABJM
理論)は、M2ブレーンの低エネルギー有効理論になっていますが、「強結合の」
ABJM理論における空間の端での物理を双対なIIA超重力理論を用いて解析し、
ホール伝導度が分数に量子化されていることを確かめました。
「開弦の場の理論とタキオン凝縮」
高力 麻衣子 (京都大学 基礎物理学研究所 素粒子論グループ D1)
超弦理論は重力を含む統一理論の最有力候補であるが、その非摂動現象はほとんど解析されていない。
弦の場の理論は、弦理論を場の理論の手法を用いて記述するもので、弦の非摂動的な解析を可能にする有望な候補である。
この講演では、開弦の場の理論の定式化や近年の発展、とくにタキオン凝縮現象への応用、の概要を解説する。
また、超弦の場の理論に関する問題点と、それを克服しようとする試みについても説明する。
「点状相互作用のある1次元量子系と経路積分」
点状相互作用とは1次元の線を接続させていったときの結合点での相互作用の総称のことで、 N本の線を接続させた場合、 その結合点での相互作用は一般に群U(N)のパラメータで記述されることが知られています。 これは結合点でも確率流密度(場の理論ではネーターカレント)が保存するべし、 というキルヒホッフの法則から導かれます。 最も有名な点状相互作用はデルタ関数ポテンシャルですが、 これはU(N)のパラメータで記述される点状相互作用の一部でしかありません。
今回の講演では、U(N)点状相互作用のある1次元量子系の経路積分とそれに関連 した話題について、簡単なU(2)の場合でお話ししたいと思います。 また、応用上重要なポワッソン和公式を一般化した双対性、 (エネルギー固有値の和) = (閉経路の和)、についても簡単に触れたいと思います。
大谷 聡 (神戸大学 理学研究科 素粒子論研究室 D3)
ここ10年程の間、1次元量子系における点状相互作用の物理が活発に研究されています。
主にナノサイエンス(特に量子細線・量子グラフ)の観点で研究されていますが、
その応用は広く、量子カオスや境界のある2次元共形場理論(BCFT)、
はては1次元コンパクト化した5次元時空上の場の理論にまで及びます。点状相互作用とは1次元の線を接続させていったときの結合点での相互作用の総称のことで、 N本の線を接続させた場合、 その結合点での相互作用は一般に群U(N)のパラメータで記述されることが知られています。 これは結合点でも確率流密度(場の理論ではネーターカレント)が保存するべし、 というキルヒホッフの法則から導かれます。 最も有名な点状相互作用はデルタ関数ポテンシャルですが、 これはU(N)のパラメータで記述される点状相互作用の一部でしかありません。
今回の講演では、U(N)点状相互作用のある1次元量子系の経路積分とそれに関連 した話題について、簡単なU(2)の場合でお話ししたいと思います。 また、応用上重要なポワッソン和公式を一般化した双対性、 (エネルギー固有値の和) = (閉経路の和)、についても簡単に触れたいと思います。
講演者・講演タイトル及び講演概要 (素粒子・原子核共通)
「AdS/QCD 模型に基づく有限温度メソンスペクトル関数」
村田 仁樹 (京都大学基礎物理学研究所 素粒子論グループ D2)
クォーク・グルーオンプラズマのような高温相においては,
メソンが溶解し,クォーク・反クォークが独立に運動していると
考えられている.
この現象はメソンのスペクトル関数を評価し,
それが相転移温度近傍でピークを失うことを見ることにより理解することが出来る.
そこで本研究では,AdS/QCD 模型を用いてチャーモニウムの有限温度スペクトル関数を評価し,
格子QCDから期待される溶解現象が再現されることを発見した.
発表では以上についての報告を行う.
「汎関数繰り込み群法を用いた QCD のカイラル相転移の研究」
上門 和彦 (京都大学 基礎物理学研究所 原子核理論グループ M2)
QCDのカイラル相転移をWetterichによって定式化された、
汎関数繰り込み群の方法を用いて解析しました。
軸性量子異常が回復した場合、カイラル相転移が一次になることを説明します。
「ソリトンの相対論的集団座標量子化:Skyrme模型と酒井杉本模型」
菊池 徹 (京都大学理学研究科 素粒子論研究室 D1)
Skyrme模型や酒井杉本模型では、バリオンはソリトンとして記述される。
これらの模型では、静的なソリトン解が持つ集団座標を時間依存させることに
よってソリトンの重心運動や内部自由度を表すが、これまで、その時間に依存する
集団座標の導入の仕方は非相対論的な枠組みにとどまっている。
本研究では、集団座標の導入の仕方を相対論的な枠組みに拡張する。
「格子QCDを用いたランダウゲージにおけるグルーオンの非摂動的伝搬関数の研究」
入谷 匠 (京都大学 理学研究科 原子核理論研究室 M2)
格子QCDを用いてランダウゲージにおけるグルーオンの非摂動的伝搬関数から、
非摂動的な効果によりダイナミカルに生じるグルーオンの有効質量を解析する。