近年のニュートリノ実験からニュートリノには質量とフレーバー間の混合がある事が解ってきた。特に大気ニュートリノ実験や太陽ニュートリノ問題はニュートリノ振動が起こっている事を強く示唆している。これらの事実を踏まえて、本講演では、レプトンフレーバー間の混合行列(MNS行列と言う)のエネルギースケール依存性について議論をする。
本研究により得られた知識は高いスケールでのモデルを構成する際の重要な情報を与えてくれる。
ゲージ相互作用を統一する試みがある。それを縦の統一と呼ぼう。
それに対応させて横の統一を考えるとすれば、それはフレーバーの統一だ。なぜ我々はフレーバーを統一するのか?
対称性を考えて、その自発的破れでもって現象を理解するのが我々のスタイルだからだ。自然に手を加え、それを観察することにより、我々はクォーク・レプトンの質量行列について多くを知った。
そこには、一見奇妙かつ興味深い構造があった!なぜそうなっているのか?1999年7の月、フレーバー対称性 (SU(3)×U(1)) の破れを仮定してクォーク・レプトンの質量行列の構造を理解しよう。
現在考えられているrealisticな超対称性の破れの模型は、実際にダイナミカルに超対称性を破る部分(我々は観測できない)と我々が観測している部分の、少なくとも二つの部分からなり、前者から後者へとなんらかの方法で破れを伝えることで我々の世界の超対称性の破れを説明する。この、破れを伝える方法として、従来は主に二種類、重力を利用する方法と、ゲージ場を利用する方法が考えられてきた。
しかし最近、超重力理論(SUGRA)の持つWeyl anomalyの効果によって我々の世界に超対称性の破れが伝わることが指摘され、超対称性の破れの模型の、第三の枠組みとも言えるものを与えている。このトークでは、この、Weyl Anomalyによる超対称性の破れをできるだけ分かりやすく紹介したいと考えている。
multi-Higgs doublet model では、 スカラーヒッグスの他に擬スカラーヒッグスも含んだ複数の中性ヒッグスが現れる。光子-光子コライダーでは、中性ヒッグスが s-チャンネルにon-shell生成されるため、これらのヒッグスの観測は中心的なテーマである。ここでは、特に重い中性ヒッグスの生成に注目して、終状態トップクオークのヘリシテイを観測することがそれらの観測に有効であることを示す。
最近の大気ニュートリノ振動の観測結果は右巻きニュートリノの存在を示唆しているが、右巻きニュートリノのあるような超対称模型では(まだ見付かっていない崩壊過程である)τ→μγ or μ→eγの branching ratio に関して近い将来の実験で検証可能なほど大きな値を予言する。我々はこの現象を徹底的に調べあげた。とくに、太陽ニュートリノ振動の有力な解の一つであるMSW 大角度解が真実なら、非常に大きな μ→eγ の崩壊率が得られることを新たに発見した。