光子 - 光子散乱におけるトップクォークスピン相 関を解析した。光子に関しては円偏極されている ものを想定した。トップクォークは重いため現実 的な加速器での生成過程ではそのスピードは光速 に比べ遅いので、そのスピン軸は原理的に任意に 選べる。そこで、一般的なスピン軸の下での断面 積を摂動展開の最低次において求め、トップクォ ークのスピン相関が強く見えるスピン軸を解析的に 求めた。
現在観測されている宇宙のバリオン数を説明する魅力的なシナリオとして、 初期宇宙におけるレプトン生成がある。
( 生成されたレプトン数は電弱相互作用の「sphaleron効果」を通して バリオン数に転化される。)ここでは、宇宙のインフレーションを引き起こす 「インフラトン」の崩壊で非熱的に生成された 重い右巻きニュートリノの崩壊によるレプトン生成について紹介する。
このシナリオは、クオークとレプトンの質量行列を説明する 「Froggatt-Nielsen模型」及び 既存の超対称インフレーション模型 の下で十分な宇宙のバリオン数を生成すると同時に、 グラビティーノ問題を防ぐよう再加熱温度を 108 GeVまで下げることが出来る。
場の理論の熱力学を解明することは、素粒子論における夢のひとつです。
その試みのうちで最も成功している格子QCDの数値シミュレーションにおい ても、化学ポテンシャルの取り扱いについてはいまのところお手あげの状態です。
今回の発表では、この現状を解説し、この有限密度格子QCDに対してほとんど唯一 の手法として知られるGlasgowアルゴリズムによる数値シミュレーションの 結果から、その困難の原因を説明します。
標準模型に超対称性を導入すると、一般に、非常に大きなフレーバーの破れを 引き起こす(Supersymmetric Flavor Problem)。通常は、スクォーク・スレ プトンの質量を世代間で同じにすることにより、フレーバー問題を解決しよう とするが、別の可能性として、1,2世代のスクォーク・スレプトンを非常に重 くすること("Decoupling")でも、この問題を解決することができる。ここで は、この"Decoupling"というシナリオの特徴と具体的なモデルの構成について 紹介する。