お知らせ(2013-12-09 更新)

研究会概要

基礎物理学の諸分野においてエンタングルメントや量子計算等の量子情報理論の概念を用いた研究潮流が世界的に生まれており、成果の面でも大きなインパクトを持つようになりました。例えばAdS/CFT対応では、閉じた境界で分けられる2つの空間領域の間の場のエンタングルメントが反ドジッター時空内の極小曲面の面積を用いたブラックホールエントロピーで計算できるRyu-Takayanagi公式の発見が超弦理論と量子情報理論の関係性を深化させました。最近ではPolchinskiらによって情報理論の量子エントロピー強劣加性不等式を用いてブラックホールの防火壁パラドクスが提案され、現在でも世界的に議論が盛り上がり続けております。量子テレポーテーションや量子エラー訂正符号などがブラックホール蒸発の議論で使用されることも珍しくありません。またエンタングルメントは初期宇宙の量子揺らぎの古典化の議論にも新しい切り口を提供しています。これ以外にも、物性理論で発展したテンソルネットワークや多スケールエンタングルメント繰り込み仮設(MERA)に基づいたAdS/CFT再定式化、量子多体系のトポロジカルな相を特徴づける秩序パラメータとしてのエンタングルメント、更にエンタングルメントを戦略的に用いるマクスウェルデーモンの量子情報熱力学など、量子情報理論の物理学基礎分野への多彩な応用は広がるばかりです。このような動向を踏まえて、日本の物理学研究者の間にはまだ広く浸透していない量子情報の種々のアイテムを共有知化させ、それを踏み台にして異分野間交流を活性化し、基礎物理学のより多くの革新的進展を日本から発信できることを目指して、量子情報物理学の研究会を企画いたしました。チュートリアル講演も用意させて頂いておりますが、講演者の方々には量子情報や各専門分野固有の概念を他分野の物理研究者の皆様も分かりやすくお話しして頂けるようにご依頼させて頂いております。皆様のご参加をお待ちしております。なお今回は口頭発表及びポスター発表の募集は致しませんのでご了承ください。また旅費のサポートを若手の方中心に行いたいと思いますが、財源が限られておりますのでご希望に沿えない場合もございます。合わせてご了承ください。

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