★ 6月
授業用のレポートを作る。授業はケプラー問題に入る。
昼食会で非定常ASEPをBethe Ansatzで解く話を光藤君が紹介。何でうまくいくのか 釈然としないが、周期系とは言え非定常解が求まってしまうのは驚異である。
M1セミナー。射影演算子でFokker-Planck方程式を導出する。
宇宙フォーラムより連絡あり。ややこしい時期に呼び出された。
長男のヨウ素液の時計反応の実験につきあう。暫くして色が一瞬でついたり消えたり するのは見栄えがするかも。
積分するとうまくまとまらない。その形を更に積分する必要があってどうしたものか と思う。
まとめ直しの作業。特解だけでは不十分ということがはっきりしてきた。よく眺めると 定数の組み合わせによって規格化できる同次の一般解がある。Fucks型の方程式 なんだが、よく知られている関数なんだろうか。とりあえず級数解の形ではなく まとめあげた形の解を求める。
授業は割と無難に終わった。FDTとFokker-Planck方程式等。6月18日が創立記念日 で7月に一回出張で休むので後4回しかない。次回は射影演算子を使ってLangevin を導出するとして、後3回は中途半端だな。
正則と思ったが積分するとやっぱり弱い発散が残る。最終結果までもう少し。あまり 意味のない計算で時間を費しすぎた。
発散すると思っていた関数をよくよく見ると正則な関数であることが分かった。大方 終わったと思った計算をやり直す羽目になった。うんざり。
まとめ直しの作業中。クリアにすべきところはクリアになってきた。しかしまだ完成に 至らず。
というのもローレンツ祭で理学部の学生が5人程訪ねて来たからである。特に後半の 2人とは長話になった。優秀そうな学生だったので話をしていても面白かったばかり でなく、物理学の現状に不満を持つ学生の若い健全な心を感じた。 (追記:5名中少なくとも4名は3回生。3回生はどうも元気な学生が多い様である。 4回生があまり関心を持ってくれていないと院試での学生の確保に苦しむかもしれ ない。)
授業で線積分、偏微分と勾配が出て来ると学生は青息吐息のようだ。
昼食会で許さんが最近ずっとやっていたMixturesへのLBMへの適用のための定式化の 話をする。思った以上にまとまっていた。既存のものがone-fluid modelに対応して おりtwo-fluid modelのものがなかったので、何が問題か、どう定式化するのかを 明確にしたいい仕事になっていると思う。(論文)原稿も同時にかなり進んでいる。
M1の体調不良でゼミは早く終わる。
STATPHYSの事務局から連絡有。Abstractが出ている。
とりあえず級数解の形で求まることは分かったし、その形も書いたのだが、具体的に 解の形とか収束性を調べた訳ではない。特に気になるのは同次解の一つが原点で 発散するので、それから構成した特解がうまく原点で収束する解になっているかどう か。
2次摂動解を求められることは分かったが、とても大変。求める必要があるかは 疑問。
授業で書き損じると指摘が出るから油断できない。國仲君との打ち合せ。再投稿間近。
分布関数の摂動1次解が求まる。次の次数へ進むのは大変そうだ。
理学部新入生の焼肉パーティーに参加せよとのお達しがあったが、そのメール(時間 も間違っていた)を送った当人も来ていない。スタッフはあまり参加していない。 正直に参加して馬鹿を見た。
非常にdenseにすると動かなくなるので、外場が弱い状況が実現する。そうすると 分布はかなり等方的になる。
ということで解析的な扱いを考える。Fokker-Planck近似の枠内で議論ができそう。
セミナーの講演者は藤さん。乱流をfixed timeで見るのではなく、fixed scaleで 見るべきというお話。そうするとexit timeのデータはstretchingによる部分と 拡散的な遅い部分に分かれる。その2状態をモデル化して粗視化をするとDNSと よく合うという話。しかしまだRichardsonの拡散方程式が何故うまく行くのかという ことには答えられていない。
卒研ゼミ。内容は高分子物理の初歩。進度は遅く。
数値計算でパラメータを動かすが、解析をどうするのかが見えて来ない。
Fractal Random walkと1/fの関係を探るが、肝心の本は持って行かれているし、 そのことを考えないといけない当人がいない。大体分かったが、結構面倒。 だが確かに関係づきそうである。
授業。練習問題を宿題にする。
昼食会。Spiegelの論文はよく分からない。紹介する方がこなしていない点も大きいが。
M1ゼミ。長かった。Landau方程式等。
その後、占部と議論。もう少しが詰め切れていない。
どう処理すべきか方向が見えない。常識的に伝導率、易動度あたりか。
授業は今度は何とか無事に終わった。黒板に意味不明のことを勢いで書くと早速 突っ込みが入るので油断できない。揺らぎの理論と相反定理が終わって、確率 過程の話に入る。
國仲君との打ち合せ。大体もういいかな。
(ちょっと恥ずかしい)解析プログラムのバグを直すと期待通りの結果になった。 まあ当然なんだけどね、と言っておこう。とするとすべきことはもうちょっと 大きな系のシミュレーションともうちょっとましな理論か。
という結果が出たので、急拠鴨川での焼肉に参加する。物性理論の毒舌トークを 楽しむ。
どうやら期待したのと違う分布になる。しかし違いすぎる面もあって解析プログラム の信頼度がもう一つなのでいろいろ調べる。
昼過ぎに電話がかかって会議に呼び出される。雨中、理学部まで歩いて行くとすぐ 終わる。歩くだけで30分の浪費だ。
学振の推薦書を書く。
またちょっといじって粒子を流してみる。バグ取りに時間がかかったが午前中に 予定のプログラムは出来たが、粒子が止まってしまう。散逸が大きすぎるようだ。
4年セミナー。棒の弾性論その他。来週は高分子物理か。まだ生物っぽくない。
犬塚さんのセミナー:「散逸過程の相対論」。イントロで出て来た(学会でも見た) Zeldovichの輻射輸送の相共存状態での乱流も面白かったが、散逸を相対論的に 扱う本論はもっと面白かった。Landau & Lifshitzを始め既存の理論は因果律を 破るために相対論的に扱うと一様状態が不安定になるが、それを遅延時間を含めて 解析するとfast decaying modesが現われて、物理的におかしな不安定性は消える。 輻射流体力学だけでなく、通常のBGKを用いた熱伝導の問題でも同様に解析できる。 それだけでなくNewton近似でGrad展開やChapman-Enskog展開等とどう整合していく べきかに示唆を与えるような話である。発展性がかなりありそうに聞こえた。
(追記)犬塚さんの学生も来たせいかセミナー室がいっぱいになっていた。またセミナー は定刻より遅く始まったが、まさか6時過ぎからの利用予約者がいるとは思わな かった。そのため3つの部屋を漂流するはめになった。議論が一通り終了したのは 7時半過ぎだった。
とりあえず確かめたいことがあるのでシミュレーションと思ったが、思ったより バグ取りに時間がかかった。バグ取りは終了したので明日にでもいろいろ確かめて みよう。
授業は無難にこなす。昼食会では占部さんの報告。だいぶゴールが見えてきた気も するが彼女自身は暗中模索状態のように感じる。M1セミナー。Generalized Boltzmann は思ったより大胆な仮定が多い。
今日の授業は良くなかった。準備段階で勘違いに気がつかなかった。
國仲君との打合せ。モデルのマイナーチェンジの議論もあって時間がかかる。
昼食の後、会議。既に遅刻していたが会議は5時半まで。会計システムはさっぱり 分からなかった。法人化でますます不可解になっていく。
Physica Dも考えておかないといかん。今のところの持ちネタは今一つだが、今から 立ち上げると間に合いそうもない。
原稿を書き直す。それで随分時間を費した。
Workshopのお誘い。面白そうなので乗る。
学校には行かず。レフェリーを一本仕上げる。時間があるので手を動かさずに 研究の構想を練ったり、あるいはあまり関係ない分野の勉強をする。
天気の良い日には近所のサイクリングの他、東寺と大阪市立科学館に行く。 東寺は数年前にも訪れたが、今回は五重塔内部の特別公開があった。また国宝が 並ぶ講堂内部の仏像群はやはり迫力がある。大阪の科学館は思ったより良かった。 霧箱の中を動く、α線やβ線の動画を初めて見た。その他の展示も割とレベルが 高い。小中学生の入場料が無料なのは 有難いが、大人の客は多くなく入場料も安いので、市の負担は大きいことであろう。
非平衡統計の授業準備。線形応答理論のノートをまとめて大体終わった。 しかし分量を計算すると大幅に超過している。ボルツマン方程式を使って 流体方程式を導く話とかはカットかな。射影演算子を使ってLangevinを 導くあたりもできそうもない。だいぶくどくてベーシックかつクラシカルな 内容なので来年あたりはちょっと趣向を変える必要があるかもしれない。 もっともカリキュラムの検討委員会ではこういうクラシカルな内容を講義 してほしいとの要望があったのでいた仕方がない面もある。圧縮できるところは 圧縮してということかな。しかし半年の講義で出来ることは本当に限られている。
★ 4月