さて図1を見て流体の渦を思い起こさないだろうか。実はそのつもりで図を描い ている。従って渦は角運動量の保存と密接な関係にある。 実際、半径一定の円周上に速度ベクトルが存在するとすると角運動量は渦そのも のである。
直接定量的な関係を問
う前に図1(a)から以下の量を考えてみよう。
また
(12)式は単位ベクトル
を使って
次に図1(b)を考えてみよう。図がう
まくないが各辺の長さが半分になったと思ってよい。斜めのベクトルもあって、
そのベクトルの代表点の位置をはっきりと示していないので表現しにくいがベク
トルの分解を使って(13)式と同様の表現が出来る。但しここではiは図
1(a)のAに対応する鉛直上向きのベクトルから順番に反時計回りにつけるとし
た方が便利である。従って、図1(b)の循環は
更に分割を細かくしていく事を繰り返し考えてみよう。そうすると(14)式
は
これが2次元の場合の
一般の循環の定義になる。明らかに渦を表している事が体感でき
るであろう。また今は循環を作るサーキットを1辺単位長さの正方形から円に近
付くように分割していったが、そのサーキットの形状や、大きさは任意に取れる。
その大きさを極限迄小さくしていくと当然循環は0になるが、その循環をサーキッ
トの面積で割りながら極限を取ると一定値に収束することが期待される。この量
が渦度と呼ばれる。(電磁気学等では回転となる)。
さて循環と局所的な渦の関係はどうなっているのであろうか?図3を見て欲しい。 局所的な4つの渦とその外縁の大きな渦=循環の関係である。4つの渦はそれぞれ (15)式で書き表されると考えて良い。一方で、外縁の渦はそのベクトル和 になる。実際、図のように接している渦は互いに流れが反対なので打ち消してし まうであろう。こうした関係は4つの渦と1つの外縁の渦との間だけに成立するの ではなく、任意のスケール間で成立する。従って局所的な渦のベクトル和が大域 的な循環に等しくなる。ここで述べた事には数学的にもう少し精密化した証明が 存在するが、諸君等には必要がないであろう。このことが例えば翼の上面で大量 に時計回りの小さな渦が発生し、翼の下面での反時計回りの渦の発生が少ない場 合に巨視的な循環が時計回りに生じる事の根拠を与える。
最後に質点系の角運動量と渦、循環との関係を説明しよう。