粉体、コロイド、エマルジョン、泡等のように主に斥力相互作用をするランダムな粒 子系では、充填密度を上げていくと、ある臨界密度以下では微小変形に抵抗力(剛性)が なく、臨界密度を超えると剛性が現れアモルファス固体になる。このような高密度粒子系 の剛性の出現は、ジャミング転移として知られており、動径分布関数(2体位置相関)の 第1ピークの発散と関わった非熱的相転移である。レオロジーの観点では、ジャミング転 移は降伏応力の出現と粘性率の発散で特徴付けられる。これらの特徴は、低温でありなが ら有限温度系で緩和時間及び粘性率が非常に大きくなるガラス転移と良く似ているが、ガ ラス転移では動径分布関数には何の異常もないと云う点では異なる。近年、ジャミング転 移とガラス転移を一緒に捉えてその普遍性を明らかにしようという研究が盛んに行われて いるが、ジャミング転移を起こすランダムな粒子系であるジャムドマターでは不均質な応 力鎖を介した複雑な力学的応答が重要であるために、その全容は必ずしも明らかになって いない。その結果、地盤工学等の様々な分野での応用上の重要な問題であるにも拘わらず、 その制御と理解は難しく、現代もチャレンジングな問題であり続けている。 一方、アモ ルファス固体では常に非ガウスゆらぎが重要な役割を果たす。特に不均一で局在している 応力鎖で特徴付けられるジャムドマターのゆらぎが非ガウス的である。従って、非ガウス ゆらぎのジャムドマターへの影響を明らかにする事は極めて大事である。これらを踏まえ て、ジャムドマターの非ガウスゆらぎとレオロジーに関連した研究者を一堂に集め、相互 の議論を進めることは自然な成り行きである。これらの現状を踏まえて本研究計画では、 「ジャムドマターの非ガウスゆらぎとレオロジー」に関する国内研究会を提案する。今回は 準備期間が短いこともあり、比較的小規模な国内研究会の開催を開催する。
尚、招待講演者としてRomain Mari氏(Univ. of Cambridge)を招いた関係上、原則として英語講演とします。 日本語しか使えない方もスライドやポスターは英語でご用意下さい。
2017年1月13日 | 登録〆切 |
2017年3月9日 - 11日 | 会議 |
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