原子核三者若手 夏の学校2019

時間割

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ポスターセッション

発表者とアブストラクト一覧(原子核パートも含む)

ゴングショースライド(原子核パートも含む)

研究会

発表者とアブストラクト一覧 [最新版:"talk_P_v.1.4.pdf"]

講義情報

8月5日 三者共通講義1

「重力波物理学の進展と展望」

田中 貴浩 氏(京都大学理学研究科)

長い準備期間を経て、いよいよ重力波直接観測の時代が到来しました。 連星ブラックホールからの重力波の検出に続き、連星中性子星合体からの重力波も観測されました。 実験的に未踏の物理学の領域に我々は大きく踏み出したといえます。重力波観測は、素粒子論や原子核物理学に対しても大きな意義を持つことは間違いありません。 一般相対論の検証や高密度物質の物性に対して新しい観測的制限がもたらされてきています。さらに、宇宙論モデルの構築という観点でも、連星ブラックホール形成シナリオなどを通じて、新たな知見をもたらしてくれます。

8月6日 現象論

「トポロジカルソリトンとその現象論への応用」

倉知 昌史 氏(東京大学宇宙線研究所)

ヒッグス粒子の発見により素粒子標準模型は一応の完成をみたが、それを超える「新しい物理」が必要な未解決問題も依然として多く残されている。 本講義では、その「新しい物理」が必ずしも未知の粒子や未知の対称性ではなく、「既知の粒子(場)の異なる姿」である可能性を探る。 具体的には、「既知の粒子(場)=ヒッグス場」であり、「異なる姿=トポロジカルソリトン」である。 講義では、まず標準模型のヒッグスセクターに関する実験的現状を概観し、理論的拡張可能性を議論する。 そしてその拡張の結果として出現しうるトポロジカルソリトンとその現象論的インパクトを議論する。
スライド(35MB)

8月7日 三者共通講義2

「ニュートリノ物理学の今までとこれから」

中家 剛 氏(京都大学理学研究科)

スーパーカミオカンデ実験と加速器ニュートリノ振動実験T2Kの実験結果をベースに、ニュートリノ物理学の現状について紹介する。 特に、ニュートリノ振動の測定とニュートリノにおけるCP対称性の破れについて中心に講義する。 また、ニュートリノのマヨラナ性を調べるダブルベーター実験や最近発展の著しいニュートリノ天文学についても簡単に紹介する。 講義の後半では、現在提案されているハイパーカミオカンデ実験を紹介し、今後のニュートリノ物理学の展開を考える。
スライド(73MB)

8月8日 場の理論

「くりこみと汎関数くりこみ群」

園田 英徳 氏(神戸大学)

場の理論を理解するにあたって重要な「くりこみ」について3回講義する. 基本的ではあっても標準的な教科書にはあまり書かれていない「くりこみの考え方」を丁寧に説明したい. 講義1と2は場の理論を習い始めた人を主な対象と考えて編成する. 講義3は汎関数くりこみ群の最近の進展について,講師の力の及ぶ限り,その概要を紹介したい.
講義1 - 格子理論を使って連続な場の理論をどう構成するかを説明する.
講義2 - 摂動論的にくりこみ可能な理論とは何かを説明する.さらに汎関数くりこみ群(厳密くりこみ群)を使った摂動論を紹介する.
講義3 - 汎関数くりこみ群の最近の進展を概観する.
スライド(1MB以下)

8月9日 弦理論

「DブレインとQCD」

杉本 茂樹 氏(京都大学基礎物理学研究所)

Dブレインは弦理論に登場する物体で、さまざまな次元のものがあります。 これが何故重要かというと、これを使ってブラックホールを実現したり、様々なゲージ理論を構成したり、いろいろと魔法のようなことができるからです。 今回の講義ではDブレインを使って現実の強い相互作用を記述するQCDを構成し、さらにホログラフィック双対というトリックを用いてハドロンのいろいろな性質を解析する方法を解説します。 また、これを題材に、研究者を目指す若者が弦理論、Dブレイン、ホログラフィック双対に関して是非とも知っておくべき基礎的な事柄を学ぶことを目標とします。
講義動画