日時
日時:2025年12月22日-24日
場所:京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館 パナソニック国際交流ホール
概要
超伝導現象はミクロな量子力学効果がマクロな巨視的量子現象をもたらすという著しい特徴を持ち、その研究は物性科学の深化をもたらすと同時に、様々な分野に波及してきた。例えば銅酸化物高温超伝導体の発現機構の研究をめぐって超伝導分野と磁性分野が融合し、量子多体系の研究を強く推進する原動力となった。その後、鉄系超伝導体の高温超伝導体の研究を通じて、軌道自由度の重要性が認識され、超伝導体の理論が大きく様変わりした。特に最近5年間で発見された多層グラフェン、カゴメ格子超伝導体、重い電子系超伝導体、Ni酸化物高温超伝導体は、それぞれ強相関電子系における超伝導現象の新しい側面を明らかにし、各々が現在の超伝導研究のフロンティアを形成している。加えて、量子力学的トポロジーの観点からトポロジカル物質という概念の確立に伴い、超伝導体は、対称性、トポロジー、超伝導発現機構、非自明な電子状態など量子多体系の基礎概念が互いに絡み合う舞台となっている。
以上のような背景のもと、電子相関効果、対称性、トポロジー、非自明な量子秩序相といった超伝導体を舞台とした基礎概念の進展とそれが相互作用する様々な学問分野を俯瞰し、互いに交流する機会を持つことは、超伝導研究が今後進むべき道を探る上で極めて重要である。そこで、各分野で世界最先端の研究成果を挙げている第一線の理論研究者を集め、最新の研究成果について討論するとともに、実験研究者の講演も織り交ぜて議論する研究会を開催する。
本研究会では、超伝導研究が今後進むべき道を探るため、クーパー対凝縮、対称性、トポロジー、非自明な電子構造、電子相関効果、といった超伝導体を舞台とした基礎概念の進展とそれが相互作用する様々な学問分野を俯瞰し、交流を行う。各分野で世界最先端の研究成果を挙げている第一線の理論研究者を集め、最新の研究成果について討論するとともに、実験研究者の講演も織り交ぜて議論する。
招待発表者(敬称略)
- 長田 礎 (東大工)
- 越智 正之 (阪大理)
- 北川 俊作 (京大理)
- 近藤 猛 (東大物性研)
- 芝内 孝禎 (東大新領域)
- 下志万 貴博 (名大理)
- 角田 峻太郎 (東大総合文化)
- 田財 里奈 (京大基研)
- 只野 央将 (物質・材料研究機構)
- 辻 直人 (東大理)
- Markus Kriener (理研)
- 松下 太樹 (阪大基礎工)
- 三澤 貴宏 (東大物性研)
- 山川 洋一 (名大理)
- 吉田 大希 (東大物性研)
世話人
- 紺谷 浩 (名大理、代表)
- 有田 亮太郎 (東大理)
- 池田 浩章 (立命館大理工)
- 大野 義章 (新潟大理)
- 黒木 和彦 (阪大理)
- 佐藤 昌利 (京大基研)
- 芝内 孝禎 (東大新領域)
- 遠山 貴巳 (東京理科大理)
- 栁瀬 陽一 (京大理)
