日時
日時:2022年3月12日-13日
場所:京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館パナソニック国際交流ホール(+Zoom)
テーマ
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益川敏英先生の最大の業績は、もちろん、ノーベル賞の栄誉に輝いた小林-益川理論ですが、これはCP対称性の破れの機構として3世代6元クォークの存在を予言し、3世代クォーク・レプトン構造にもとづく現在の標準理論の基本的骨格を与える先駆的理論でした。
また、益川さんが一番力を注いだのは、カイラル対称性の自発的破れのダイナミクスを、くり込み可能なベクトル粒子交換に基づく理論において理解する仕事でした。この仕事は、その後QCD等の非可換ゲージ理論の場合へ適用され、テクニカラー模型などのダイナミクスの理解にも大きく貢献しました。益川さんは、他にも、拘束系の正準変数の一般論、Gribov 問題の分析、さらには、原子核の大振幅集団運動に対する新しい方法の開発、など多方面にわたりますが、中でも、超対称性を持つ理論での非線形表現の一般論は、超対称 Lagrangian のケーラーポテンシャルのあらわな構成法を初めて系統的に与えた注目すべきものです。
本研究会では、今日の標準理論の基礎を築いたこれらの益川さんの研究をふりかえりながらこの50年間の素粒子論の発展を概観し、最新の研究も踏まえて今後の研究の方向を議論したいと思います。
世話人
- 九後 太一 (京大基研, Chair)
- 青木 愼也 (京大基研)
- 杉本 茂樹 (京大基研)
- 橋本 幸士 (京大理)
- 久野 純治 (名大 KMI)
- 野尻 伸一 (名大 KMI)