日記 (12月)


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国内ビジター募集中。
主な予定

  1. 12/5: 専攻会議等
  2. 12/8-9: 基研50周年記念行事
  3. 12/9: 物性研究
  4. 12/15-17: 確率モデルの統計力学(基研)
  5. 12/19: COE会議
  6. 12/22: 大掃除
  7. 12/24: 予備審査
  8. 12/25: 予備審査
  9. 3/8-10 Dynamics of complex fluids (京都)
  10. 6/? 阪大集中講義
  11. 7/4-9 STATPHYS at Bangalore, 7/11-13 Kolkata
  12. 全然終らない本(〆切はとっくにすぎた。原稿はとっくに書いたのだが。。)

1月


12/10:

Xu氏のセミナー。いろいろ質問をしたがどれも要領の得ない回答だった。境界条件 は不明確。相分離でのGrowth lawで2/3乗則というのは知らなかったが聞いてみると 移流項が効く領域の話。もともとの方程式を導くときの精神と合致しないような 気もする。その法則をサポートする実験があるのかという質問には明確に回答が なかった。Siggiaのtに比例するgrowthが2次元で観測されないとのこと。そんなの 知らんぞ。識者の方は教えて下さい。ChanglishとJapanglishの会話なので お互いに言っていることのポイントが捉えられない。

Bucklingはうまく生じない。一旦できれば安定性云々の議論が有効になるが、どうも それよりも境界からめくり上がる方が早い。線形バネからHertzian contactに修正中。


12/9:

1コマ目の授業の後、基研に行く。田中さんの発表が終わったのが45分遅れ。 (聞けば朝に機器のトラブルがあったらしい)。その後、福山さんの話を聴いた が佳境に入ろうかというところで物性研究の編集会議のために退室。話はまとまった reviewで昔聴いた話と大差ないように思ったが山田さんとの議論が盛り上がった そうだ。

午後の蔵本さんの講演では座長を勤める。講演ではBoltzmann,Chapman-Enskogの話に はじまりKS等を経て、最近のDaido,Crawford等に指摘されたnon-trivialな Hopf bifurcation迄を豊富な事例を紹介しながら実に手際よくまとめていた。 素粒子系の人達の評判もよく、単なるreviewに留まらず新しい成果も盛り込んだ 非常に良い講演であったと思う。(COEへの皮肉もあった)。

基研の将来計画についての討論会では95年での外部評価が埋もれてしまって、 8年を経て似たような提言をせざるを得なかったことが問題になっていた。 (ちょっと事情があって発言しにくかったので)意見を言うべきかどうか 迷っているうちに終わってしまった。確かに責任の所在がはっきりしない 今の運営体制には問題がある。

終了後、坂東さんや佐々木さん、大野木さんあたりと駄弁って本音を交換。 九後所長も輪に加わり、それはなかなか面白かった。物性研が固体電子論に 特化していることを素粒子、宇宙系の人は知らなかったようだ。

基研の問題点は一つには中途半端に大きくなったことだと思う。設立当初の 規模であればサロンで無駄話をしているうちに分野を越えた新しい成果が 生まれることが起こり得るが、現在ではそれも難しい。最近でも川上、梁の成功が 強調されていたがあれでも合併前でサロンで駄弁る機会は多かったが故に 出て来た成果のよう感じる。まして設立初期の天体核の立ち上げや松原Green 関数等は無駄話の成果ではなかろうか?(勿論、日本人のメンタリティーとして 田畑を一所懸命に耕して他に手を出さないから境界領域で研究が育ちにくいと いう面もあるだろう)。


12/8:

授業前に手早くアルゴリズムを愚直なものに変更し一応動くようになった。しかし 格子を組んで動かない、あるいは壁に沿って滑べってしまう、ということで今の パラメータ領域ではうまくbucklingが起きない。

授業とグループミーティングの後、ブライトンホテルでの基研50周年の記念式典に 出席する。

まずは南部先生の講演。残念ながら誰も知っている話ばかりで、いよいよ南部節が 聞けるかと思うところで時間切れで残念。(もっとも物性の大御所はああいう話を知らな かったらしくそれは大きな驚きであった)。講演終了後、躓き転倒されたので一同が ひやっとした。さすがにお年を召された印象が強い。佐藤さんの話は面白かったが 、考えようではちょっと嫌味かもしれない。19世紀のイギリスではMathematical Tripodsが普通に行なわれていたこと、20世紀に入ってそうしたproblem solversだけ では立ち行かなくなり物理の進展に新しい側面があったこと。理論物理が確立した のは19世紀も末でPlanckの頃からであることなどが語られていた。概略は知っている 話だが話上手だったと思う。しかし理論物理屋はエリートたれ、出来て当然という のは(言いたいことは分かるが)ちょっと引っかかる。

御二人がパワーポイントを使っていることに驚いた。

式典では文科省の方が大臣の形式的なお祝いの言葉の後、自らの言葉で大学での研究 を盛り立てるには、と語り始めたので「おや」と思った。後の懇親会で北原さんに 聞いたところ最近の文科省は本音で語るようになってきたとのこと。

懇親会では川崎さんが若く見える程平均年齢が高くちょっと不思議な雰囲気だった。 スピーチをなさる先生方も軽く80を越していらっしゃるので見ていて心配になる 場合もあった。しかし95歳の伏見先生は矍鑠たるもので湯川中間子の学会での 最初の発表を聞きすぐ評価したという話共々驚かされた。 私も南部、西島、武田の諸先生にも挨拶をした。開成の校長先生にもトヨタの中高 一貫校の話も伺った。都築さんが佐藤さんと助手仲間だったのは知らなかった。 等、いろいろ旧世代の方と話が出来たのは面白い体験だった。三宅さんに指摘され たのだが研究部員は物研連に登録してそこから選ぶそうだが、私はそんなものは 投票したことがない。どうなっているのかな。昔も問題になっていたがどこで どういう風に組織されているのか不明だ。

追記(12/10):

  • Heisenbergのお弟子さんであることことで有名な某先生は何故か仲間うちで 烏と呼ばれていた。テレビで見たときには分からなかったがお会いして話して みてよく理由が分かった。
  • 川崎さんと理論物理屋の減少やLos Alamosの惨状について話す。Los Alamos のpreprint serverがCornellに移ったことから薄々感じていたが大変らしい。 やはり物理の低調さと冷戦の終結は無関係ではないという話になった。
  • 小嶋さんが医学部卒で医師免許を持っていることは知っていたが、どうして 物理に転向したのかを伺う機会があった。ついでに私が物理をやっている理由も 語った。理由は簡単、親に「お前は才能がないから文系に行け」と言われたのに 反発したから。

12/7:

家からコンピュータにアクセスして走らすが改善がない。アルゴリズムが悪い ことがはっきりした。


12/6:

Bucklingのシミュレーションを試みるがバグが取れず。ちょっとアルゴリズムが悪い ようだ。


12/5:

朝、研究会に行こうと思ったが卒研があるのを思いだした。それで卒研では昨日の 話を紹介する。また学生の弾性論の計算と、自由エネルギーを調べた話の報告。 終了後、Numerical Recipesの紹介をする。

モーメントバランスから形状を決める式を導出しようとする。重力項の入り方が 変だ。


12/4:

Bucklingのノートを書き上げる。パラメータの特定領域でのみBucklingが起こると いうなかなか面白い結果となった。つまり昨日の重力を無視した取り扱いとは差が 出て来たのである。 とは言え、まだ高次構造との安定性の比較は まだできていない。


12/3:

Bucklingの議論が明らかになる。剛体系ではエネルギーギャップがあって、フラット が安定だが、何かの拍子にある角度を越えるととめどもなく立ってしまってアーチ にならない。一方、ヘルツの接触力を圧縮方向にだけ入れると(そちらの方が重力 より効く)、アーチ解が安定になる。常にアーチ解を充たす極小は存在するが、 有意になるにはある程度加える力が強くないといけない。至極当り前の結果でこんな の一瞬で出て欲しかった。とりあえず一歩前進でシミュレーションの結果をなんとか まとめられそう。

伏木さんのセミナー。剛体系のシミュレーションで希薄気体の金君の理論との比較。 かなり緻密に計算されているので心地よい。結果は非常によく一致している。僅かな ずれを有限濃度効果や有限サイズ効果等を考慮しつつ解析している。セミナー後の 議論でSST検証のMDの話等も聞く。Enskog補正についての紹介や議論等。 その後、夕食会。


12/2: 導体球系の鏡像を使った解法がすんなりと運ばず。こうした幾何学は中学受験生が 一番できそうだ。どこが相似で、辺の長さの比がいくつになると いうのを瞬時に判断できない。学生もすぐにピンと来ているとはとても思えない。

うーむ微妙にうまくいかない。ちょっと当て外れか。

原稿


12/1:

剛体系でもBucklingが起きそう。

授業。会議。予想された結果とは言え、ちょっと釈然としない。

昼食会はチャンポンな英語と日本語が混ざった不思議な雰囲気。懸念した通り? 光藤君は学会の申込を忘れたようだ。

来年6月に阪大の集中講義。

國仲、金の両君は無事にD論を提出した。やれやれ。予備審査を24,25にやること にした。昔いちきのために予備予備審査をしたときも24日だったが、佐々が来て びっくりした。8時間位やったため大信田君が途中退席したのが印象的。今回も その位やるのか、あるいは早く終わるか。


11月