日記 (10月)


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国内ビジター募集中。
主な予定

  1. 10/1: 後期開始。セミナー:金、宮崎
  2. 10/3: 後期卒研第1回
  3. 10/6,7: 授業1回目:忘れないように。
  4. 10/8-10: 摩擦の研究会
  5. 10/14: 物性研究
  6. 11/11: 物性研究
  7. 11/1->15: Aiguo Xu来日
  8. 11/10-11: Franco Nori
  9. 11/25: 物理教室発表会
  10. 11/30 : Phase Transition 〆切
  11. 12/8-9: 基研50周年記念行事
  12. 12/15-17: 確率モデルの統計力学(基研)
  13. 3/8-10 Dynamics of complex fluids (京都)
  14. 7/4-9 STATPHYS at Bangalore, 7/11-13 Bangalore
  15. 全然終らない本(〆切はとっくにすぎた。原稿はとっくに書いたのだが。。)

11月


10/31:

我が研究室の学振は1勝1敗。二人が同時に通ることはよほどのことがない限り ないだろうし、事前の業績と申請書の書き方から予想通りの結果だった。残念 だった方の学生も来年なら確実に通るだろう。(その前に多数あるポスドクを 選んでいかないといけない)。学振の審査はシミュレーション屋には辛い気がする が、殆んどの場合順当であると感じる。

卒研。横壁をいれると5粒子だったら何でもあり。

そういえば確率モデルの統計力学(基研)の集まりが悪い。〆切を世話人が忘れて募集をかけなかったのが よくなかったかも。しかしプログラムには無理がなくなり、最初に意図した研究会に 近くなったのかもしれない。

そういえば世話人に名を連ねているDynamics of complex fluids (京都)の〆切も明日ではないか。忘れないようにしないと。

どうでもいい計算が面倒で進まない。


10/30:

ちょっと方針を変更して固まっている領域での弾性波の放射を調べることにした。 昔の論文が参考になる。本来衝突の問題で放射問題の解が使える筈だが、今回は undulationに応用。計算の進度は遅いが道筋ははっきりしている。応力が決まる アーチを支える力が分かる。

インド行きが本決まりかな。サテライトもBangaloreということなので気候や移動 の問題がクリアされる。出張中の授業とかはどうするか。

某財団は駄目だった。申請書を書いているうちに当たらないと思ったので妥当か。 学振の結果がそろそろ出始める。


10/29:

shearをかけるとdilatancyが見えてしまった。理論的にdilatancyが見えるのは 面白いと言えなくはないが、今は困る。localに変形したときの安定性とglobalに 変形したときの安定性が違う。ちょっと考え直す必要がある。

セミナー。その後、粟津君が来る。


10/28:

どうも手詰り。格子モデルでヤング率が過小評価になっているのはよくわかったが どう訂正すべきか。

授業はガウスの定理の証明.


10/27:

格子を組ませて微小変位をさせてヤング率、ポアソン比を計算。今度はやたら小さい。

授業と会議。体調はよくない。

金君が帰ってくる。暫く前にSantosからメールが届き、彼のことを褒めていた。 引き続き基研での(彼の研究と関係ない)会議に出席し、来週は仙台での会議に参加。 学位論文を全く書いていないのに余裕をかましてくれる。〆切は一月後なのに どうするつもりなのだろう。


10/26:

子守をしながら計算。ヤング率が異常に大きい。高速度ビデオで粒子の動きを確認。 キンクができているというより全体が弾性体みたいになっているという表現がぴったり くる。


10/25:

隣県まで入試説明会に行く。さすがに遠い。


10/24:

格子モデルならbendingを直接議論できそうだが基準状態を傾けたままにするのか 地面と平行に取るのか。

卒研。平らな床に乗せた5粒子のアーチ解は存在しないことが示された。横から 押す必要がある。

会議。その後、図書館に行って珍しく文献漁りをする。近辺に冊子体の雑誌がない と新着の論文を読まない。

宋美齢が亡くなった。というよりまだ生きていたのが驚き。それもその筈で106歳。 20世紀は戦前、戦中までが激動の時代で戦後に歴史的な大事件は殆んどないために 世界史的観点から見ると現存の人で歴史に残る人は少ないだろう。そうした数少ない 歴史の生き証人の一人が亡くなった。


10/23:

全面的に格子を組んだモデルを考える。弾性率とかずっとすっきり議論ができるので このモデルをしっかり解析しよう。問題は一番上の層だが、これだけ拘束するか。

PDへの書類を提出してから教授会へ出席。笑ったのは高校のカリキュラム改訂に 伴って物理Iでは放物運動が削除される一方で、物理IIではバンド理論が扱われる とのこと。誰がこんな阿呆なカリキュラムを考えたのか。全く文科省は常に人の 期待以上のことをやってくれる。それとも高校生に分かるバンド理論 というのがあるのだったら拝聴したいものだ。(どうせお話なのだろうがバンド 理論を選ぶセンスは一体何なのだろうか)。


10/22:

どうも結果が思っていたのと違う。

西成さんのセミナー。交通流、蟻の解析を手際良くまとめた話は予想通りだったが 人の流れのモデル化、解析の話は予想していなかった。避難の動きを シミュレーションするソフトの開発まで紹介してくれた。(大手ゼネコンも購入 しそうだとのこと)。 これから物理をやる 人は建築基準法から始めないといけないか。さすが長野オリンピックの技術顧問 だけある。

セミナー後、光藤君の話を聴いて貰ってコメントを頂く。やはり見えている人が 聴くと的確なコメントを頂ける。


10/21:

授業の後、健康診断。また心電図で引っかかる。

音波の伝播はHertz chainが出来ていることに依る。そうすると端で弾性的で端から 離れると減衰することも分かる。しかしまだスケーリングがおかしい。本質はこれ 以外に考えにくい。


10/20:

延々と同じところで詰まっている。問題設定があまり良くない。

体調が今一つなのか講義の後は疲れた。

光藤君の2レーンの解。物理的なモデルでは解析解が数値解と一致しないとのこと だったが解析解のモデルがちゃんと前を見たモデルになっていないことに気がつく。 可解系ではないだろうからレーンチェンジに密度効果を取り入れたモデルとして 解析することを示唆。

山鼻の宿舎は絶望的に混んでいる。それだけ外人が増えたということ。しかし 一般のアパートを探すとなると大変である。


10/17:

真面目に板の上に落下した物体の話を解析。しかしこのままでは使えない。一工夫 が必要である。

卒研。摩擦問題は5体の見通しのいい解を持って来た。ちょっと不十分であったが N体に拡張できる可能性を感じさせた。後はJohnsonを使って tangential loadingの勉強。

入管に行って入国カードを貰う。一仕切り書類書き。


10/16:

斥力系が格子振動を媒介して引力になるというお馴染みのアイデアをちょっと 考えたがやはりうまくいかない。


10/15:

やはり張力は応力鎖を考えてそれを両端から押していると考えるのが物理的にも 自然だと思う。問題は多々あるが両端から押している力をはっきりさせるのも 大事。

物理教室談話会でお披露目講演をしないといけなくなった。だいぶ先の話だが。

國仲セミナー。質問に対する答え方に切れがなかった。


10/14:

電磁気の授業で極座標とその積分を紹介。しかし三角関数の積分がすぐ答えられない というのは1コマ目で眠っているのか。

全然芽が出ない。やはりorientational orderの話に持って行くのが良さそうだ。

インド方面からお誘い。持つべきは友。ということでSTATPHYSとそのサテライトに 出ることを検討しよう。BangaloreはともかくDehliは暑そうだ。 Puriが来るときもひどいネットトラブルがあったのを 思いだしたがIT大国として売り出し中?のインドのネットは重い。

物性研究編集会議。


10/13:

5粒子問題は一応解けたが未定パラメータが多い。それだけ解の任意性が大きいと いうことである。この路線ではちょっと先が見えない。一方で他の路線もいろいろ 試してみるがどれも中途半端で駄目。


10/12:

昨日の中学の後期入試であんまり算数の点が低いので実際に解いてみる。なかなか いい問題で確かに受験生には無理だろう。時間内にはできなかった。一方でパズル として考えるともっと幼い子でも出来ることに気がつかされた。


10/11:

実際に粒子を組みあげて接触力を決めてみるとうまくいかない。3粒子はすぐ できたが。

先週に引続き入試説明会。今度の方が印象が断然いい。


10/10:

原則として一昨日の方法でアーチ解を構成できる。しかし現実として粒子数が多く なると大きさのアンバランスが生じるような気がする。2個でも相当変な条件が つく。

卒研は摩擦の研究会の報告とアーチ解について、それから方針の議論。結局、 剛体のアーチ解とその安定性を調べると同時に弾性体のtangential loading を勉強して弾性体の正しいアーチ解を調べていくことになった。

勿論アーチ解の動的性質を調べることも目的の一つである。


10/9:

4,5粒子解はすっきりしないので見直すと混乱してくる。任意の粒子数で解を求める のは簡単ではない。

摩擦の研究会を聴きに行く。小貫さんがパワーポイントを使ったのには驚いた。 動画も見せたので皆の評判も良かった。弾性場のカップルした相分離系にシアを かけたときのパターン。境界面がスリップするのが見えて印象的。川端さんの ゲル摩擦の実験。摩擦係数は小さいがCoulomb則が成立する。水で膨潤した状態の 摩擦現象。

会議で紛糾。

光藤君の報告。2レーンのTASEPでの厳密解が求まる。もっとも解けても少しも 面白くないモデルなので有難さも中位なり、という感じか。より物理的なモデル で同じ路線で攻めたときに何が見えて来るかが興味深い。それにしても頑張っている。


10/8:

摩擦のアーチ解が構成できそうだ。2粒子から5粒子迄解を構成 する。9月にはちょっとした勘違いがあったことがはっきりした。トルクバランスと 力のバランスには矛盾がない。解のバリエーションも少数粒子ではないようだ。

摩擦の研究会で國仲君の発表が好評だったようだ。それはそうだろう。去年の今頃 はどうまとめるかで悩んでいたのが嘘の様だ。CornellのLouge, Jenkins, Ruina にも好評。5年程前にはねかえり係数が1を越えることを実験的に観測した Ruinaはrefereeとのやりとりまで送ってくれた。

國仲君は同志社の研究会でも講演を依頼された。


10/7:

2回目なのになんで進行が遅いのだろう。あたり前だが受講者は今日の方が多い。

基研50年か。時代を感じる。南部先生の講演はもう聴くチャンスは多くないだろう。

今年はAbrikosov, Ginzburg, Leggettは超伝導で受賞か。 物性理論の大御所が貰うのはいいことだ。 Ginzburgは天体もすごいけどね。Leggettの英語は分かりにくい。高木さんに インタビューがいくのかな。

どうもfocusが絞れていない。


10/6:

後期授業の1回目。受講者が少ない。

応用数学の院生が衝突の問題についての議論に来る。

Kuninaka-Hayakawaの論文


10/5:

レフェリーのレポートを書き上げる。

次男の子守を兼ねて午前は図書館に行き、午後は区民運動会に顔を出す。


10/4:

噂の伏木さんのデータを見る。Boltzmann方程式のBurnett解との一致は完璧。 小さいサイズのシミュレーションでよくぞここまで理論と合う結果を出した ものだ。すると小さい系でも相関効果はないということになる。

某中学の入試説明会。京都一の進学校だが印象はよくない。


10/3:

後期卒研の第1回。卒論を書くために何を研究するかという話し合いをする。 こちらが提示した3つの案の中で予想通り9月に僕が考えて分からなかった 摩擦のある粒子の静力学的バランスの問題を選択した。彼自身が考えていた テーマもあったそうだがそれより面白いとのこと。一見するとすぐ出来そうだが すぐに力のバランスとトルクのバランスが両立しなくなる。軟らかい粒子だったら 平衡解はあると思うのだがどうなんだろう。因みに学会で色々な人に聞いたが誰 も分からなかった。一人すぐ出来ると言った人がいたが後ですぐ矛盾が明らかに なった。解が沢山ありそうなのでどういうアプローチが一番適切か選択が難しい。

卒研には理学部の4年で4月から研究室に配属になる予定の学生も同席した。 彼の卒研(課題研究)のテーマを何にするかについても話し合った。最初は彼が 考えた案を幾つか紹介して貰ったがどれももう一つであった。こちらから紹介 した5,6個のテーマの中から応力鎖の摩擦への影響を選択した。応力鎖という アナログ的な概念をどうデジタル化するかに実験家の腕が問われるだろう。

昨日レポートを送ったところにまたレフェリーをする論文が届く。これもすぐ 読めそうではあるがいい加減嫌になる。

ポスドクの受け入れ事務。秘書でもいないとやっていられない。今日は入国管理局 に行って来た。それにしても京大の事務は何時からこんなに官僚的になったのか。 Puriのときはさすがに東北大と違って融通が効くと思ったのだが。。普通面倒な 財源を取る書類を用意するあたりはすっとばしたのだが受け入れはやっぱり面倒。

3月にアナウンスしたポスドクの募集がまたある。

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Post-doc position in Physics in the University of Rennes (France)
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One year post-doc position is available in our lab starting on
first November 2003.  The proposed topic concerns the problem of aeolian
sand transport. Our research group has been working on this subject
since five years in collaboration with the University of Cornell
(in particular with J. Jenkins). Our main purpose is to understand
the physical mechanisms leading to the formation and migration of sand
dunes.

Background in granular physics, statistical physics, hydrodynamics
and aerodynamics will be appreciated.  Applicants should send
a letter of motivation and a cv.

Person to contact:
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Alexandre Valance
Groupe Matiere Condensee et Materiaux
Campus Beaulieu, Bat 11A
Universite de Rennes 1
35042 Rennes, France
e-mail:alexandre.valance@univ-rennes1.fr
Tel: (33) 2 23 23 55 99
Fax: (33) 2 23 23 67 17

宮崎さんに物性研究の原稿をお願いして快諾して頂く。
10/2:

やっとKuninaka-Hayakawaが投稿の運びとなった。はねかえり係数が1を越えるという 話がシミュレーションで再現され、コンパクトな理論で説明がついた。國仲君のみ ならず私からみても良い仕事となったと思っている。もっとも 現象論が荒っぽいのでもうちょっと動的に何がどうなってこういう結果が得られたか ということが分かると更に良い。

相変わらずポスドクの受け入れに関する事務手続きで振り回される。以前よりだいぶ 面倒になっている気がするが気のせいか。

宮崎さんから早速長距離相関に関するコメントが届く。紹介された論文を読んで理解 した限りでは有限熱勾配系では長距離相関を除去できないが、系を大きくした極限では 消えるようなので一安心。また宮崎さんから詳細なノートが届く。Martin-Siggia-Rose の使い手がまだ世の中にいるとは。。今度の新入生に勉強させようか。

レフェリーの論文を読み、レポートを書く。ちょっと早く書きすぎかな。 まあpreprintで興味を持って読んだ論文だとレポートも早い。


10/1:

京大理学フェローの募集というのが来る。早い話がポスドクの募集だそうだ。 COEとは別口らしい。一杯ソースがあるので驚く。

インド人がこちらに来たいというメールを何日か前に送って来て、いろいろ調べて いる段階。彼は前にも来たいと言っていたが、学振の日が合わなくて話が立ち消えに なっていた。学振は夏に締め切ったのでタイミングは悪い。京大財団はあまりにも 待遇が悪い。ポスドクはいいかもしれない。もっともこういう枠は日本人に振るべき かな。

金君のセミナー。2次元Burnettは大体できている。ちょっと楽観的な気もするが解 には違いない。

宮崎さんのセミナー。北部まで行くのがしんどいので御足労頂く。ダイアグラムの 説明とかは私には眠かったが初学者にも分かるように配慮された丁寧なセミナー である。やっていることはone loop(MCT)のpropagatorとcorrelationをきちんと 計算して輸送係数とfree energyがnonlinearな場合にもFDTが確かに実現している ことを確認したという話である。場の理論を使った計算は懐かしくもあったが、 丁寧な計算で勉強になることも多く(propagatorと response functionの違いは認識していなかった)、なかなかいいセミナーであった。


9月