準備研究会の簡単な報告(2007年2月26日)
坂東昌子
「女性研究者のリーダーシップ研究会」代表
■功刀さんの問題提起をめぐって
愛知大学の会場で、功刀由紀子さんの「サイエンスコミュニケーション」の問題提起をじっくり話し合った。当日は、愛知大学の一般教育関係の教員である古川さんと3人の研究会であったが、重みのあるレジメを用意され、大変興味深い話が聞けた。
現在、サイエンスコミュニケーションは、大変ポピュラーで、もてはやされているが、その中身は、科学者が科学者としての特質を活かして、社会との連携を深めるという方向を向いているのかという疑問から出発した。
コミュニケーションを受け持つ主体は、科学を少しかじった程度の深みのない人材で良いのか、そこがまず問題になった。現在、科学博物館や科学未来館などで行われている解説者は、サイエンスコミュニケーション選考の学生であることが多いが、彼らは科学の中身に対しての専門家ではない。ところが、今の日本では、単なる素人ではなく、かなりの突っ込んだ勉強をしている見学者や聴衆が結構多い。そういう人に正確な情報を与える為には、専門的な視点から話すコミュニケータが必要である。いや、もっといえば、素人が相手だからこそ、よし深い科学の素養を必要とするのではないか、そうでなければ、最新の複雑な科学の体系を、そのエッセンスを捉えて説明できることなどできないだろう。そこから出発して現在の再演コミュニケーションの持つ意味、そして科学者がそれにどう係るべきかという話にはいっていった。特に環境問題・医療問題・食糧問題は、最新の科学の成果をもってしても、色々な視点から、問題に迫ることが要求される。科学者は、体制側や企業側に面ねいてもいけないし、市民運動に面ねいてもいけない。真実・事実をきちんと伝える使命があるのではないか、と感じる。大変面白い問題提起で、やはり一度、研究会としてお話願うことが必要だと痛感した研究会であった。出席者は3人とも、自然科学を一般教育として、文系の学生の教える立場にある。本当に、市民や素人に理解できる為にはどうコミュニケートしたら良いか、それを一番良く知っているのは、結局コミュニケーターよりむしろ一般教育担当者ではないかといった話も飛び出し議論が弾んだ。
■コメント
功刀さんのお話は、準備の行き届いたレジュメで準備の行き届いた内容であった。
お願いしてレジュメをここに載せてもらおうと思っているが、とりあえず、私の簡単な感想を載せておく。功刀さんが、「まだ、考えている中途段階なので、準備研究会にしてほしい」と要望されたので、研究会のシリーズには入れなかったが、重要な問題指摘をされたと思う。今後深めていきたいと思っている。
今回は、研究準備会で限られたメンバーによるものだったが、
現在、サイエンスコミュニケーションがもてはやされているだけに、
科学者が科学者としての特質を活かして、社会との連携を深めるという
目標をどうしたら達成できるかという問題提起であったと思う。
コミュニケーションを受け持つ主体は、科学を少しかじった程度の人材で良いのか、
相手が素人だからその程度出十分なのか、という基本的問題が提起された。
現在、科学博物館や科学未来館などで行われている解説者は、サイエンスコミュニケーション専攻の学生であることが多いが、その意味では専門家ではない。
もちろん、現状を考えても、日本では、単なる素人ではなく、かなりの突っ込んだ勉強をしている見学者や聴衆が結構多い。そういう人に正確な情報を与える為にも、専門的な視点から話すコミュニケータが必要である。
いや、もっといえば、素人が相手だからこそ、深いレベルの素養が必要ではないか、そうでなければ、最新の複雑な科学の体系を、そのエッセンスを捉えて説明できることなどできないだろう。そこから出発して現在のサイエンスコミュニケーションの持つ意味、そして科学者がそれにどう関わるべきかという話にはいっていった。特に環境問題・医療問題・食糧問題は、最新の科学の成果をもってしても、色々な視点から、問題に迫ることが要求される。科学者は、体制側や企業側におもねるのもいけないし、市民運動におもねるのもいけない。真実・事実をきちんと伝える使命があるのではないか、と感じる。
出席者は3人とも、自然科学を一般教育として、文系の学生の教える立場にある。市民や素人に理解できる為にはどうコミュニケートしたら良いか、それを一番良く知っているのは、むしろ一般教育担当者ではないかといった話はとても愉快であった。
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