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[sansha-ctr 88] Re: [sansha-ctr 87] 夏の学校におけるセクハラ対策



京大の馬場です。

セクハラ対策WGの高屋さんのメール[sansha-ctr 87]の中で、去年のWGメールで提案
・議論されたものが含まれるので、補足させて頂きます。

まず、1(警察への通報)については被害者の当然の権利であるので、これをWGや役
職校関係者が手助けすることは望まれる行動だと思います。

一方、2、3については注意が必要です。
2(加害者への注意)の前提として、加害者の特定が挙げられていますが、これは加
害者とされた本人からも話を聞く必要があります。
昨年の場合も、加害者と思われる人へ質問のメールを送ることから始まっています。
人違いや加害者側の見解が異なる時に、いきなり厳重注意から始めようとするのは逆
効果となる可能性があります。
また、被害者が注意を望まない場合に注意をするとしたらWG(役職校)独自の判断だ
という事を伝える必要があります。

3()に付いて、強制退去は可能でしょうが、名前の公表は無理というのが去年のWG
の結論だったと思います。
理由としては、日本では犯罪に対する処罰が司法によってしか認められていないから
です。
犯罪者として氏名を公表する事は社会的制裁(私刑)になりますが、このことで逆に
訴えられたら関与したWGと役職校関係者の責任を問われる事になります。
(例えば名誉毀損罪は事実の公表についても成り立ちます。)
もう少し簡単な点を指摘すると、セクハラは人権侵害ですが、その加害者の裁判を受
ける権利を省略して制裁を加える事も人権侵害となります。

現実に公表可能な場合というのは、「警察への通報の替わりとして」加害者本人が認
めた場合に限られるでしょう。

確かに
>またこれだけ厳しい(?)措置を取ると予め公言しておけば
>参加者の意識は高まると思います。
>実際に上のような措置を取るかを独断で決めることは
>ありません。
と仰っているように、脅し文句としては有効かもしれませんが、今後も夏の学校が続
いていく事を考えても、実行不可能なオプションを宣言するのはマイナス効果の方が
大きいのではないかと思います。

最後に、今年のWGは昨年からの引継ぎや周囲の協力という点が不足しているように感
じます。
夏の学校での対策が極端に厳しい物になるか、逆に機能せずに一昨年の状況が再現さ
れるのではないかと危惧しています。
役職校関係者やWG経験者はもう少しアドバイスや力を貸す必要があるのではないで
しょうか?


京都大学 人間・環境学研究科 素粒子論研究室
馬場秀司
baba @ phys.h.kyoto-u.ac.jp