Mainz2(10月11日(水)〜13日(金))

ここでは2006年10月9日から15日にかけて、ドイツのマインツに滞在しHyp2006に出席したときの模様を中心に、雑多なことを書きます。

10月11日(水)

朝のセッションは8:30から。街の中心部から近いとはいえ、開始がちょっと早くないですか?6時過ぎに起床し、朝食は7時からなので、早めに食べてしまい、8時頃に出発。

road1 昨日バスで往復して道を覚えたので、今日は歩いて行ってみる。空も晴れていて散歩気分にちょうどいいです。写真は途中の道、よく見ると飛行機が飛んでいる(拡大図)。空港が近いので何機も連なって観測できた。

この大きな道の横をしばらく進んで若干丘をのぼり、交差点までくるともう大学入り口。研究会会場はもう少し先で、横の道をしばらく進むと昨日バスをおりたバス停に到着。1.3ユーロういた。会場に着いたら最初のトークがちょうどはじまった頃である。

今日はK核など白熱したセッションが多く、実験、理論の偉い人もしゃべるので面白そう。午前最初のセッションでJ.A.O.氏を初観測。もうちょっと濃い、破壊力のあるキャラを想像していたのだが、わりとあっさり。

コーヒーブレークでW.W.氏にご挨拶にいく。予定の調整と確認をしたのち、書類の修正点を教えてもらう。evidenceはsearchにしたほうが、、、と言われる。そのW.W.氏のトーク:A.D.さんとの共同研究で、AMDでK核、にカイラル相互作用と斥力芯とp波の効果を加えたときに幅と密度がどうなるか。この問題に関する対決にいい落としどころを持ってきてたような感じがする。ちなみにMacですね。

午後に戦闘前のE.O.に、来年の予定について結論を報告、それでも「very good、very good」と言ってくれる。やっぱりいい人ですよ彼は。W.W.氏グループをはじめ、イスラエルのA.G.氏グループなどもKの問題に絡んできているようで、今後の発展が期待されます。

午後はK.H.のトークが良かった。タイトルからしてCLASの2つ目の実験に触れないんだと予想し、もしそうなら突っ込んでやろうと思っていたのだが、その反応も含め最近のpositiveな結果もちゃんと説明していて、いい話であったと思う。"7 sigma peak on the well understood background"に耐えうる状態はPDGにいくつあるのだろうか、という疑問はおいておいても、日本にはこういう立場で話をしてくれる偉い人がいないように思う。偉い人がだまってしまうと、偉くない人たちはさらに話をしにくくなってしまう。

MAMI 一方で、質問にもあったカットについての疑問は常につきまとう問題である。変なものは何もしなければなかなか出てこないが、がんばって探そうとすると結果としてartificialなものを作ってしまう、ということだろうか。しかし探す努力をせずに見えるなら、もっと前に誰かが見つけてるだろう、という気もする。また、これは他の実験についても言えるのだが、新しい精度のいい実験で過去の結果を否定するとき、なぜ前のは違う結果を出したのか、という説明があまりないと思う。

終了後、今日は大学内でレセプション。食料は少ないがシャンパンをいただく。途中から何組かに分かれてここの実験施設MAMI(MAinz MIcrotronです)を見学。RCNPのと比べてそれほど大きくない。写真は半円型のマグネットの真ん中をまっすぐ走らせることにした部分、奥の青いところで電子が曲がるらしい。

MAMIの見学ツアーの途中にガイドさんがいなくなる。つづきがあったのか気になるところだが、しかたなくレセプション会場に戻る。全体的にどうも終わり際がはっきりしないのがあれだが、適当に見切りをつけてY.I.くんと帰ることにする。バスを待つのがめんどくさいので歩きで帰還。

ホテルに戻って財布の整理をしてるとドルの1セントが出てくる。初期段階で混じっていたのか、おつりに混じってきたのか、もはや追跡不可能。

10月12日(木)

Dalitz 今日はセッションは午前中のみで、午後からエクスカーション@ライン川。Dalitzメモリアルセッション:Dalitz plot、Lambda(1405)、CDDポール等、彼の残した業績は大きい。自分の研究と関連する仕事も多いので感慨深い。写真はA.G.氏のトーク、Dalitzの軌跡がわかってなかなか良かったです。

そしておまちかねライン川下り。午前中曇っていた天気も晴れてきて川下り日和。まずバスで会議場を後にし、乗り場まで移動。途中の道のりはぶどう畑や田舎の町並みなど、のどかな田園風景。

船着き場から観光船に乗りこみ川下りスタート。わりと大きい船です。船が動き始めるとビュッフェスタイルの昼食。ビールが無限においてあるが食事は軽いものが多い。

食事は適当に済まし、瓶ビールを持って船の先端へ。昼間に風に吹かれながらビールを飲む、に川下りがついてこれは最高。一緒にいたY.I.くんも興奮している。川下りの雰囲気は動画(.avi, 16.3MB)でどうぞ。どうだ楽しそうだろ。

beer ライン川はそれほど幅広くなく、両岸には電車が並走していて、ぶどう畑の合間になにやらメルヒェンな町並みがちらほら。電車でここを通るのも気持ち良さそう。ローレライは寄り過ぎて一枚に収まりきらなかった1, 2。下にちゃんと名前が書いてあります。船の1階は食堂で、2階のデッキではガイドがいろいろ説明してくれる。川下り中には、他の観光船や、貨物を運ぶ船、カヌー遊びをする老夫婦などとすれ違ったりする。川の上は寒いかと思ってコートを着てきたが、気温も上がって快適である。

ローレライを過ぎて少し行ったあたりで折り返して、今度は川をのぼりはじめる。うろうろしているとM.J.V.V.に、ミュンヘンのN.K.氏に紹介されたのでご挨拶。その後船はリューデスハイム1, 2で一旦とまり、途中下船して自由観光時間。一通りぶらついて、レストランでY.I.くんとともに黒ビールとソーセージをいただく。「Wo ist denn die Toilette?」とか言ってみる。

船に戻ったあと、夕食も船の中で、ロシア人V.K.氏たちといっしょ。コース料理だったが、昼からずっと飲んでいたので味はあまり記憶にない。それでも優雅な時間を過ごしたあと、だいぶ暗くなってからマインツの船着き場に帰ってくる。どのへんに着いたのかいまいち分からなかったが、人の流れに従っていると無事中央駅に戻れる。ホテルに戻ったあと、喉が渇いてしまった。こういうとき冷蔵庫がないのがつらい。一階に自販機らしきものがあったが、故障中とのことで結局水分補給ができない。とにかくまあ、今日のエクスカーションは充実していて楽しかったです。

10月13日(金)

これはいわゆる二日酔いですね。ビールしか飲んでないはずだったのだが。量の問題だろうか。朝食はフルーツと飲みものだけで、軽く済ます。今日もバンケットなので、昨日の教訓を生かし、朝食をとった後駅にエビアンを買いにいって補充しておく。

朝から雲行きもあやしかったのだが、昼になって雨が降り出す。傘はもってきてたのに、スーツケースに入れたまま会場まではもってきておらず、雨に打たれながら昼飯に向かう。ちょっと遠いレストランで食べる昼食も今日で最後。3回目なのに、最初のメニューに戻っている気がする。

午後はパラレルセッション。T.M.という人は名前は知っていて、どんな研究をしてるかも知っていたのだが、今日顔と名前が一致。以前大阪の研究会で、フォームファクターについて質問してくれた人であった。次のセッションではKEKのペンタ実験の質問タイムに、E.O.に「コメントないの?」と指名される。自分が計算したのがあるのなら、コメントしなさい、ということらしい。しゃべるセッションでないからといって油断してはいけない。

Gutenberg トークのセッションでは、注目のE.O.が終わった時点で客がわりと引けてしまったのだが、自分のところは無難に話し終える。K核のセッションで一人ハドロンの話をしているので、ちょっと浮いているか。時間も短いので、ポイントをしゃべりました。

バンケット会場は市内の古代船博物館みたいな所で、若干距離があるが歩いて向かう。ショートカットもできそうだったが、一旦中央駅を経由して市街地の方へ。サッカーの試合でもあるのか、大学の近くで赤い色を身につけた人の群れが、一方向に向かっている。中央駅からは、地図を参照しながら会場へ。だいぶ土地勘もついてきた。写真は途中で出会ったグーテンベルクさん。

会場の入り口がわからず無駄に一回りしてしまったが、バンケットは料理も酒も充実。Y.I.くん、Y.A.先生とかといっしょ。しかし昨日飲み過ぎたせいで、いまいち酒は進まず。オレンジジュースとかも飲む。内蔵が疲れています。A.D.さんより、RCNPにいたヨン様が今ミュンヘンにいるという情報を入手。

例によって終わるタイミングが微妙だが、適当に切り上げて脱出。金曜だからか、町中でビールを飲んだ(ような)ドイツ人がうろうろしている。帰り道で「アンニョンハセヨー」とか声をかけられる。しかしドイツは概して治安は良いようです。

Mainz3(10月14日(土)、15日(日))へつづく

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