所長挨拶

皆様

基礎物理学研究所は、2007年度から、クオーク・ハドロン物理学に関する5年間 の滞在型研究プロジェクト「クォーク・ハドロン科学の理論研究の新たな展開を目指す国際共同研究プログラム」(略称:クォーク・ハドロン科学国際共同研究プログラム; Yukawa International Program for Quark-hadron Sciences, YIPQS) を始めました。このプログラムは当初5年間のプロジェクトとして文科省から認められたものですが、2011年度からは京都大学の経常経費による事業として継続的に行うことが認められました。これは全国および全世界の研究者が積極的に参加して下さったおかげであり、この場を借りて感謝したいと思います。今後も大学横断型共同利用事業(従来の共同利用事業)とともに、全国共同利用研である基礎物理学研究所の中核的事業として推進していきたいと思います。

このプログラムでは物理学の諸分野について毎年2・3の研究テーマを選び、各1−3ヶ月に渡る滞在型研究集会や国際会議(滞在型研究会)を開催します。また共同研究の立ち上げ・推進を目的とした2週間程度の少人数研究会(国際モレ キュール型研究会)も、毎年数件行います。研究テーマとしては、クオーク・ハドロン物理学(クオーク・グルーオンプラズマの物理、高温・高密度の核物質の物性、カイラル対称性の回復の力学、エキゾチックハドロンの物理など)だけでなく、より広く、クオーク・ハドロン物理に関連してストリング理論に代表される標準模型を越える素粒子理論、初期宇宙の理論や爆発的天体現象、非平衡動力学や様々な凝縮系などに関して、研究集会が行われてきました。

今後も理論物理学全体にわたるテーマについて研究集会を開催します。これらの滞在型研究集会には各分野の指導的研究者を招聘して基研に長期間滞在していただくとともに、研究テーマに関心を持つ研究者を広く招待したいと考えています。ぜひ国内外の皆様に研究集会にご参加いただき、基礎物理学研究所を「実際に研究を進める場」としていただきたいと思います。また、研究会のテーマについてのアイデアや企画も募集しておりますので、ご提案よろしくお願いします。

開催する研究集会の詳細に関してはこのホームページをご覧ください。皆さんと 基礎物理学研究所でお会いすることを楽しみにしています。

2017年4月 青木 愼也