研究会の概要
目的
少数量子系では3体系におけるエフィモフ効果に代表されるように,束縛状態の形成・消滅に付随した興味深い物理現象が見られます.とくに近年,冷却原子系における(ボーズ・ フェルミ)ポーラロンと呼ばれる不純物系の性質に興味が集まっており,超流動媒質中の有効質量やポテンシャルなどについて,理論・実験の両面から盛んな研究がなされています.しかし,有限温度媒質中での束縛状態のダイナミクスなど,いまだ理論的な理解が乏しい現象も多くあります.一方,高エネルギー物理学では,クォーク・グルーオンプラズマという超高温の素粒子多体系中において,重クォークやその束縛状態(クォーコニウム)のダイナミクスについての研究が盛んに進められています.本研究会は,物性物理学・高エネルギー物理学の両分野からこれらの少数量子系に関連する研究者を現地に集め,少数のセミナーにより両分野の課題・手法を集中的に議論することで,少数量子系の分野の枠を超えた新たな共同研究を始めることを目的に企画された研究会です.また,研究会期間中の8月23日(火)に「冷却原子気体における少数量子系の普遍的性質」という1dayワークショップを,Zoomによるオンラインでの一般参加を受けつける形で開催します.
テーマ
少数量子系の量子ダイナミクス
日程
- 2022年 8月 22日(月) 10:30 - 17:30
- 2022年 8月 23日(火)   9:30 - 17:30 1dayワークショップ「冷却原子気体における少数量子系の普遍的性質」
- 2022年 8月 24日(水)   9:30 - 17:30
- 2022年 8月 25日(木)   9:30 - 17:30
- 2022年 8月 26日(金)   9:30 - 15:00
場所
京都市左京区北白川追分町 京都大学基礎物理学研究所 研究棟会議室 K206
(会場へのアクセス方法は,こちらをご参照ください)
1dayワークショップ招待講演
- 遠藤 晋平 (東北大学):エフィモフ状態の物理
- 仲野 英司 (高知大学):冷却原子のポーラロン問題
- 藤井 啓資 (ハイデルベルグ大学):超流動相のポーラロンポテンシャル
- 中川 大也 (東京大学):冷却原子系における近藤効果
インフォーマルレクチャー
- 西田 祐介 (東京工業大学):エフィモフ効果と荷電粒子系における類似物
- 兵藤 哲雄 (東京都立大学):共鳴状態の理論とハドロンへの応用
1dayワークショップの参加登録
本研究会は共同研究を行うことを前提としたモレキュール型研究会ですが,1dayワークショップのみZoom配信への一般参加も受けつけていますので,参加を希望される方は8月20日(土)までにご登録をお願いいたします.
世話人
- 赤松 幸尚 (大阪大学)
- 遠藤 晋平 (東北大学)
- 田屋 英俊 (理研 iTHEMS)
- 本郷 優 (新潟大学・理研 iTHEMS)
- 藤井 啓資 (ハイデルベルグ大学)
後援
本研究会は,基研研究会の一環として,
の補助を受けて開催されています.