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第6回木村利栄理論物理学賞 受賞者紹介

 この度、2012年度(第6回)湯川記念財団・木村利栄理論物理学賞の受賞者を 細道 和夫氏(京都大学基礎物理学研究所 特定准教授(グローバルCOE))に決定しました。

細道 和夫 特定准教授(京都大学基礎物理学研究所/グローバルCOE)

授賞研究課題 「曲がった空間上の超対称ゲージ理論の厳密解」

授賞理由

細道氏は、3次元超対称ゲージ理論の解析、とくに局所化原理を用いた厳密 解の構成で顕著な業績をあげており、 11次元の究極理論とされるM-理論の構成要素であるM2ブレーンやM5ブレーンの理論の研究に重要な寄与を与えている。

その主なものとしては、まずチャーン・サイモンズゲージ場と物質場の結合する高い超対称性を持った3次元の場の理論を 群論的な分類に基づいて系統的に構成した業績がある。それまで注意を払われていなかった部類の理論に先駆的に取り組んだもので、 その後のM2ブレーンの理論の発展を切り拓く一つの契機となった。

次に、歪んだ3次元球面上の超対称チャーン・サイモンズ理論に局所化の方法を適用し、歪みのパラメータを含む厳密な分配関数を与えた。 このパラメータはM5ブレーン上の理論が4次元ゲージ理論と2次元リュービル理論に分解する様子を表すAGT対応に現れるパラメータに類似しており、 M5ブレーン上の理論が3次元超対称ゲージ理論と3次元の双曲幾何学とに分解する状況を記述する例を与えている。 更に、細道氏は曲がった時空上の超対称性を特徴づける方程式を拡張して超対称性理論をより一般の空間上に構成する枠組みを研究した。

細道氏は、以上のように超弦理論・M理論の進展において優れた研究業績をあげており、日本の超弦理論分野における指導的な役割を果たしている。 今後も超弦理論・場の量子論の国内外での研究をリードして活躍することが期待され、木村利栄理論物理学賞にふさわしい研究者である。

受賞講演

講演スライド

授賞式の様子

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