研究会の概要
目的
格子ゲージ理論の成功に見られるように,格子上の場の理論は,連続空間上の場の理論の非摂動的な定式化を与え,場の量子論の定式化自身に取って非常に基本的な役割を果たします.その一方で,物性物理学においては,凝縮系物理学のターゲットである固体物性を記述するモデルとして格子模型(つまり,格子上の場の理論)が用いられ,さらにその低エネルギーにおけるふるまいは連続空間上の有効場理論で記述されると信じられています.しかしながら,格子上のカイラル対称性・量子異常などの例でよく知られているように,「格子上の場の理論と連続空間上の場の理論の関係」 にはさらなる研究が必要な微妙な点も多く残されています.本研究会は,格子上の場の理論に関する近年の理論的進展を主たるテーマとして,格子上の場の理論と連続空間上の場の理論の関係を理解することを目的に企画された研究会です.素粒子・ハドロン物理学に関連した格子ゲージ理論,ならびに,物性物理学における格子模型などに関する最近の進展を概観し,格子場の理論の非専門家も念頭に置いて,分野の枠を超えた議論や交流を深めることを目標にしています.
テーマ
格子上の場の理論・格子模型の物理全般
日程
- 2022年 7月 19日(火)   9:25 - 17:00
- 2022年 7月 20日(水)   9:30 - 17:00
- 2022年 7月 21日(木)   9:30 - 17:00
- 2022年 7月 22日(金)   9:30 - 15:10
場所
京都市左京区北白川追分町 京都大学基礎物理学研究所・湯川記念館・パナソニック国際交流ホール
(会場へのアクセス方法は,こちらをご参照ください)
招待講演
- 鈴木 博 (九州大学):Gradient flow法と汎関数くりこみ群
- 山口 哲 (大阪大学):格子フェルミオンと指数定理
- 三角 樹弘 (近畿大学):格子上の特異なフェルミオン
- 桂 法称 (東京大学):物性物理における格子模型:SU(N)ハバード模型
- 日高 義将 (KEK):ハミルトン形式による格子場の理論
- 西野 友年 (神戸大学):テンソルネットワーク法とその応用
- 菊川 芳夫 (東京大学):格子カイラルゲージ理論
- 初田 哲男 (理研 iTHEMS):格子上の散乱理論
- 松井 卓 (九州大学):量子スピン系のエンタングルメントエントロピーとスペクトルギャップ
一般講演
議論の時間を十分確保するために,一般講演は主にポスター発表(+ポスターショートトーク)とする予定です.
一般講演を希望される方は,参加登録ページにおいて発表の申し込みを行ってください.
現地参加・一般講演を希望される方についての参加登録の締め切りは6月10日(金), Zoomでの参加登録締め切りは7月15日(金)になりますので,お早めのご登録をお願いいたします
また,旅費補助は若手研究者・一般講演を希望される方を優先しますので,あらかじめご了承お願いいたします.
世話人
- 本郷 優 (新潟大学・理研 iTHEMS)
- 谷崎 佑弥 (京都大学 基礎物理学研究所)
- 三角 樹弘 (近畿大学)
- 土井 琢身 (理研 iTHEMS)
- 後藤ゆきみ (九州大学・理研 iTHEMS)
後援
本研究会は,基研研究会の一環として,
の補助を受けて開催されています.
また,研究会番号は「YITP-W-22-02」になりますので,謝辞をしていただける際にはこの番号をお使いください.