日時

日時:2024年12月18日-20日
場所:京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館 パナソニック国際交流ホール

概要

超伝導体は純粋に量子力学的な自由度がマクロな現象を生み出すという性質ゆえに、その研究は物性科学の深化をもたらすとともに、様々な分野に波及してきた。例えば、銅酸化物高温超伝導体の発見は、室温超伝導実現への期待を強く後押しするとともに、その発現機構をめぐって超伝導分野と磁性分野が融合し、強相関量子多体系の研究を強く推進する原動力ともなった。また、鉄系超伝導体などの新しいタイプの高温超伝導体の発見を通じて、スピンの自由度だけでなく、結晶を構成する原子との関係で生じる原子軌道の自由度の重要性が認識され、それに伴い、非従来型超伝導体の研究が一新されている。加えて、量子力学的トポロジーの観点から物質を特徴付けるトポロジカル物質という概念の確立に伴い、超伝導体は、対称性、トポロジー、超伝導発現機構、非自明な電子状態など量子多体系の基礎概念が互いに絡み合う舞台となっている。また、応用面では非平衡制御を用いた物質科学、例えばエレクトロニクスやスピントロニクス、オプトエレクトロニクスへの波及効果が顕著となり、超伝導エレクトロニクスや超伝導スピントロニクスと呼ばれる分野の新テーマが生まれている。

本研究会では、超伝導研究が今後進むべき道を探るため、クーパー対凝縮、対称性、トポロジー、非自明な電子構造、電子相関効果、といった超伝導体を舞台とした基礎概念の進展とそれが相互作用する様々な学問分野を俯瞰し、交流を行う。各分野で世界最先端の研究成果を挙げている第一線の理論研究者を集め、最新の研究成果について討論するとともに、実験研究者の講演も織り交ぜて議論する。

招待発表者(敬称略)

  • 金子 竜也
  • 石塚 淳
  • 竹森 那由多
  • 青木 大
  • 花栗 哲郎
  • 石原 滉大
  • 田財 里奈
  • 森本 高裕
  • 橋本 顕一郎
  • 北村 泰晟
  • 岩佐 義宏
  • 野村 悠祐
  • 長田 礎
  • 塩崎 謙
  • 水島 健

世話人

  • 佐藤 昌利 (京大基研)
  • 柳瀬 陽一 (京大理)
  • 池田 浩章 (立命館理工)
  • 有田 亮太郎 (東大理)
  • 大野 義章 (新潟大理)
  • 紺谷 浩 (名大理)
  • 遠山 貴巳 (東京理科大理)
  • 松田 祐司 (京大理)
  • 黒木 和彦 (阪大理)