教職コース

5. 3次元グラフ付きの説明プリントを作る

プリント作りの一つの難しい点に、分かりやすい図を載せることがあります。 今回は「立体図」をのせたプリントを作ってもらいます。


今回の課題


● Examples


● Gnuplot で等高線グラフを描く

このような「ある関数の値が一定の軌跡」を書かせるのに gnuplot では splot (surface plot) というコマンドがあります。 lesson04 の微分方程式の例では が一定となるので、 この関数の等高線が微分方程式の解です。 この等高線のグラフを prog04-3.ps という PostScript file に 描かせてみましょう。

最初の行の set contour both は等高線を描かせるための設定です。 最後の ghostview コマンドは PS file を見るためのコマンドです (ghostview を終るときは画面内で q)。

これをまとめて行わせるためには 等高線を描く gnuplot script(prog04-3.plt) を作りましょう。 コマンドラインから

gnuplot prog04-3.plt
とすれば、画面で確かめた後に Postscript file に出力できます。

splot のいろいろな使い方がありますので、 gnuplot の help によって使い方を調べてみて下さい。


● LaTeX にグラフを取り込む

LaTeX で図を載せるには、psfig というパッケージを使うと便利です。 これを使うためには \documentstyle の行で指定しておき、 \psfig{figure=....,width=....} という形式で PostScript file の図を取り込みます。

    \documentstyle[psfig]{article}
    \begin{document}
    \title{微分方程式のもう一つの見方}
    \author{数野一平 \\ 北海道大学}
    \date{\today}
    \maketitle
    ....
    
    \section{微分方程式のもう一つの見方}
    
    ......
    
    \psfig{figure=prog04-3.ps,width=12cm}
    
    \end{document}
    
psfig.sty は (WinTeX の) 標準の style file には入っていないので、
ここ から download (リンクを名前を付けて保存) して 利用するか、 Unix の上では copy して利用して下さい。
    cp /www1/s-0007/PRINT/tex/psfig.sty .
最後の . (スペースとピリオド。現在の directory に コピーする、という意味。)を忘れないで下さい。

● プリント (PDF ファイル) の作成と Webpage からのリンク

今回は Unix コンピュータ上で LaTeX ファイルを作ってもらうので、 コマンドを用いてコンパイルして下さい。

  1. LaTeX 文書から dvi ファイルを作成
    platex teachXX.tex
  2. dvi ファイルを Postscript ファイルに変換
    dvips -f teachXX.dvi -o teachXX.ps
  3. ghostview で PS ファイルがうまくできていることを確認
    ghostview teachXX.ps
  4. PS ファイルを PDF ファイルに変換 Windows に転送して Acrobat Distiller で PDF ファイルに変換
    ・ftp で PS ファイルを転送
    (Unix コンピュータ Windows)
    ・PS ファイルを PDF ファイルに変換
    (Windows で PS ファイルのアイコンをダブル・クリック)
    ・ftp で PDF ファイルを転送
    (Windows Unix コンピュータ)
  5. Webpage からリンク。タグは
    <a href=teachXX.pdf>PDF</a>
    の形式。

● 余裕があれば.....

せっかく図の入った LaTeX ファイルを作ったので、これを直接 Webpage に変換してみましょう。(課題ではありません。) これには latex2html というコマンドを用いますが、 センターの標準コマンドではないので、 コマンドパスの追加が必要です。

  1. コマンド・パス の説明ページ、 数値計算演習での環境設定ページ を参考にして、 /home1/s-0007/l2h/bin をコマンドパスに加え て下さい。具体的には各々の home directory にある .cshrc ファイルで、set path=(...) の部分を次のように変えてみましょう。

    set path=(./ /usr/local/bin /usr/gnu/bin /usr/bin/X11 $path )
    --> set path=(./ /usr/local/bin /usr/gnu/bin /usr/bin/X11 /home1/s-0007/l2h/bin $path )

    編集が終った後に

    source .cshrc
    として環境を更新すると latex2html というコマンドが使えます。

  2. TeX ファイルを html ファイルに変換します。
    ap1: latex2html teachXX.tex
      [japanese]This is jLaTeX2HTML Version 2K.1beta (1.48) JA patch-1.4
    by Kenshi Muto, Debian Project.
    
    Original LaTeX2HTML Version 2K.1beta (1.48)
    by Nikos Drakos, Computer Based Learning Unit, University of Leeds.
    
    .....
    Doing section links ..........
    Unknown commands:  
    Done.
    
    
    しばらく時間がかかるので我慢強くまってください。Done. とでれば完成です。

  3. teachXXという directory の下に 変換された html ファイルと必要な図が作られていますので、 この directory ごと各人の Homepage Directory にコピーしましょう。
    cp -pr teachXX ~/www
    (cp スペース -pr スペース teachXX スペース チルダ-/www)
    (-pr は Directory ごとコピーするためのオプションです。)
    (前に書いてあった mv では移せないので cp を使って下さい。)

さて、実はこれで「数式を図として作る」方法を手に入れたことに なりましたね。 この部分を簡単にした解説を ノートLaTeX2Htmlの部分にまとめておきます。
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Akira OHNISHI
11/16/2001