理念・目的

事業概要

未来創成学国際研究ユニットでは、異分野を統合することの知的冒険によって生命・物質・こころの世界、あるいは人間社会・教育・経済の世界を貫く普遍法則や創発原理を探求し、未来を方向づけるパラダイム転換を目指します。
そのために、まず「世界の記述は客観的でなければならない」という一方向的記述形式の根本的前提に異議を唱え、その上で「人間が創り出した科学や文化が、逆に人間に影響する」という観点に立脚します。この種の双方向的な「創造的破壊現象」は、人間を取り巻くマクロな経済・社会、あるいは人間のこころの問題から、ミクロな量子世界の問題に至るまで幅広く存在し、科学者を翻弄・魅了して止みません。
これらの未科学・未踏領域の諸問題解明に向けて、学際・国際・人際ネットワークを駆使して挑戦していきます。

事業目的

生命・物質・こころ、あるいは人間社会・教育・経済は、異なる階層レベルのシステムです。本研究プロジェクトでは、それらを実在物とは考えず、ダイナミックなプロセスとして捉えます。
どの階層レベルのシステムにおいても、「プロセスの結果がプロセスそのものに影響を与える」とき、システムを構成している「要素」のスケールをはるかに超える大規模なパターンが突然創発します。このような「創造的破壊現象」として、生命の起源やこころの進化、科学者の新理論着想の瞬間や社会構造の自己組織化、さらにはパンデミックやバブル経済の崩壊、そして超伝導現象やミクロな世界の情報理論などが考えられます。様々な階層レベルのシステムに見られる多様な創発現象を、人文科学・社会科学および自然科学の叡智を結集して探求し、その背後に働いている普遍原理を探求するとともに、それぞれのシステムに特徴的な原理・法則の探求も行います。そのプロセスを通して、新たな学問の創成につながることこそが「未来創成学」の醍醐味であると考えています。