この研究会について

スピン系は古くから物性物理における重要な分野として研究されており、今日もなお新現現象の宝庫として発展を続けています。 2016年ノーベル物理学賞に輝いたThouless, Haldane, Kosterlitzの3氏が提唱したスピン系におけるトポロジカルな概念は、 最近のトポロジカル物質研究の基礎を築くとともに、現在でもカイラル秩序, スカーミオン, Z2トポロジカル相, 対称性に守られたトポロジカル相などへと 進化を続けています。また、高温超伝導の起源として提唱された量子スピン液体も、新物質の合成や新奇なKitaevスピン液体の提唱など、 新しい展開を見せています。一方で、近年は多くのスピン系研究者が、さまざまな異なるプロジェクトに参入していることや、 日本物理学会の複数の領域に分散していることから、同じ分野の研究者でありながら、なかなか実験家・理論家が一同に会して掘り下げた ディスカッションをする機会が少なくなっています。そこで、スピン系における最新のトピックスを取り上げながらも、 あまり目先の応用や成果にとらわれず、長期的なビジョンに立って、将来のブレイクスルーや新しい研究領域開拓を狙うような、 斬新なテーマ・コンセプトの創生に主眼を置いた研究会の開催が必要と思われます。本研究会では、若手の育成という目的からも、 各トピックスの第一人者によるレクチャーだけでなく、若手による最新の成果の講演やコメントにも十分な時間をかけるとともに、 多くの発表を公募する予定です。理論・実験両面、さらには最近発展の著しい計算科学も含めて、多くの側面からの意見交換・情報交換を行い、 今後の大きな潮流を創造したいと思います。

上にもありますように、本研究会では20件程度の招待講演に加えて、20件程度の口頭講演、20〜40件程度のポスター発表を募集する予定です。講演ご希望の方は、 参加申込みの際に講演もお申し込み下さい(口頭講演申し込みは10月9日(火)まで。その他登録の詳細については「参加申込み」をご参照ください。)。

トピックス

本研究会では、主に以下のようなトピックスに焦点をあてる予定です。

(a). スピン系におけるトポロジカル状態:
(b). フラストレーション系
(c). スピン液体とエキゾチック準粒子
(d). カイラル秩序とスピン輸送現象
(e). テンソルネットワーク
(f). 多極子秩序などの新奇秩序相

開催日時・場所

この研究会は、

2018年10月31日(水)〜11月2日(金)

京都大学基礎物理学研究所 パナソニック国際交流ホール
〒606-8502, 京都市左京区北白川追分町,
京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館1階
京大北部キャンパスの地図内の「11」です)

で開催されます。

なお、懇親会を11月1日(木)の19:00から京大北部生協2Fで予定しておりますので、参加希望の方は登録時にお申込みください。

基礎物理学研究所や湯川記念館の場所については、 基研ホームページの 交通案内、 このホームページ内の "各種情報"にあるGoogle Mapをご覧下さい。

世話人

坂井徹(世話人代表、兵庫県立大)

押川正毅(東大物性研)

川島直輝(東大物性研)

田中秀数(東工大)

常次宏一(東大物性研)

藤堂眞治(東大物性研)

戸塚圭介(京大基研)

野尻浩之(東北大金研)

廣井善二(東大物性研)

求幸年(東大)

桃井勉(理研)

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