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突発天体は観測の進展によって天体物理学における最も重要なテーマの1つとなっている。電波からガンマ線に至る多波長でのサーベイ観測は多様な突発天体を検出し、重力波や高エネルギーニュートリノとの関連も注目されている。これらは時間領域天文学とも呼ばれ、特に高エネルギー天体現象の観測・理論研究を大きく推進している。また近年では遠方宇宙の超新星爆発やガンマ線バースト、巨大ブラックホールによる潮汐破壊現象の観測も可能となってきた。一方で遠方宇宙分野においてはJWSTの登場によって銀河形成、巨大ブラックホールの成長、宇宙再電離の研究が飛躍的に進んでおり、新たな問題も提示されつつある。遠方宇宙で観測される天体の時間変動は、その問題の答えを探る有力な方法の一つとなりつつあり、時間領域天文学の手法は遠方宇宙の強力なプローブとなりえる。そこで、本研究会では遠方宇宙の研究と時間領域天文学の知見を融合し、突発天体や時間変動天体の観測で可能となる遠方宇宙の研究を議論する。両分野の交流と情報交換を目的とするため、遠方宇宙のみ・時間領域天文学のみを研究している研究者の講演も大歓迎とする。