Miscellaneous | 天羽 将也
2023年1月から2023年7月までの間、スペインのバルセロナ大学のRoberto Emparan教授に受け入れていただき、滞在研究員として在籍しました。ビザの申請などに関する情報を収集するのは簡単ではなく、ネット上の情報に大いに助けられました。自分も備忘録を残そうと思います。
- 2022年6月: 名古屋大学の白水徹也教授に、Roberto Emparan教授とメールで繋いでいただき、バルセロナ大学受け入れの了承をいただく。
- 2022年9月: ANRI基礎科学スカラーシップに申請する。
- 2022年9月: 日本学術振興会若手研究者海外挑戦プログラムに申請する。
- 2022年10月頃: 大学事務(基礎物理学研究所の総務)に、長期の出張になりそうな旨と、使用する可能性のある研究費について、審査中のものも含めて全て伝える。
- 2022年10月: 警察署にて、ビザの取得に必要な無犯罪証明書を取得する。
- 2022年11月: 大学事務(基礎物理学研究所の総務)に出張申請を提出する。
- 2022年11月: 文部科学省科学研究費補助金学術変革領域研究(A) 極限宇宙の内部支援制度、海外若手派遣プログラムに申請し、承認を受ける。
- 2022年11月: ANRI基礎科学スカラーシップからの採用が決定。
- 2022年12月: 日本学術振興会若手研究者海外挑戦プログラム採用が決定。
- 2022年12月: 駐日スペイン大使館にてビザを受け取る。
- 2023年1月: バルセロナに到着し、大学へ初訪問。現地で住民登録(Empadronamiento)、TIE(Tarjeta de identidad de extranjero)の発行手続きを行う。
- ビザ種別: 自分は長期留学査証 (SLU)を取得しました。このビザは181日以上の研究活動に必要です。出発の3ヶ月前から申請することができます。
- 提出物(2022年時点): 大学からの受け入れ通知書、パスポート(スペイン入国予定日より1年以上有効期限のあるパスポート)、無犯罪証明書(警察署で取得)、健康診断書、ビザ申請書、医療保険(原本とコピー1部)、証明写真(45mm×35mm、1枚、カラー背景白)、滞在中の経済的保証を証明する書類(銀行残高証明書など)、往復航空券の予約確認書、ビザ申請手数料
その他、私がビザ申請した際に抱いた疑問点を、Q&A形式でまとめます。あくまで、2022年時点の情報である点にご注意ください。
ビザの都合で、現地保険会社のプランに加入する必要があったため、Adeslas COMPLETAというサービスを利用していました。Adeslas Completaは、2024年に外国人の保険加入を停止し、日本人によるサポートは、innoinsureに引き継がれているようです。
銀行口座について、自分は開設しませんでした。スペインの銀行口座に送金の必要があった場合には、wiseというサービスを利用して、日本国内の銀行口座から送金していました。手数料は、固定手数料の1.84 EURと両替額の0.60%です(最新情報はhttps://wise.comなどを参照してください)ので、あまり送金の機会が多くない場合は、銀行口座開設の必要はないのではないかと思います。
このページは、内部生や基礎物理学研究所宇宙グループ/天体核研究室の受験を検討している方向けの情報やメモを共有するためのものです。元々、コロナ禍の情報伝達の機会がほとんどなかったときに新M1向けに書いた「情報集」を微修正しました。情報が古いところがあるかもしれません。
2025年3月に大学を離れて以降、更新が行われていません。最新の情報については、在籍中の方にご確認いただくことをおすすめします。
天体核のHPに書かれています。自分がわかるものについて、もう少し詳しく書きます。
論文速報(=ランチセミナー)
金曜の12:00〜13:00に、天体核と基研宇宙の構成員で、論文の紹介や、研究会に参加した時の参加報告やその他情報共有が行われます。日本語です。基本的に参加必須のイベントです。
コロキウム
金曜の13:30~16:30に、1人が主に自分の研究について話します。分からない言葉・前提も多いと感じるかもしれませんが、質問は大歓迎の雰囲気です。大体日本語です。基本的に参加必須らしいです。
若手ゼミ
M1が夏の学校(通称:夏学・なつがく)の発表に向けて準備するのを、M2以上の学生がサポートし、交流を深めるゼミです。夏学は例年7月か8月頃に行われ、12分ほどのプレゼンをすることになります。
Cosmology Seminar(=宇宙論ゼミ)
週1で大体2,3時間程度、自分の研究や他の人の論文のレビューなどを話します。M2は参加・発表が必須です。年に1回発表が回ってきます。言語は基本的に英語ですが、M2の発表は日本語でもいいみたいです。火曜の13:30からやってます。
APゼミ
APは"Astro Physics"の頭文字を取っているそうです。cosmology seminarと同様にM2は参加・発表が必須らしいです。週1で大体2時間半程度、他の人の論文の内容を紹介する傾向にあります。
Cosmology Lunch
宇宙論や重力理論の論文速報です。ハイブリッドで行っています。英語です。木曜の12:30〜13:30に行われます。
天体核・基研宇宙の守備範囲内の研究をするのには、必要なor有意義な勉強量はかなり多い傾向にあります。M1の間は研究より勉強にささげるのが圧倒的にベターだと思います。すぐには役に立たなくても、しばらくしてからふと研究の役に立つ、ということもあります。こちらのpdfが参考になると思います。
- 密な「報連相(報告・連絡・相談)」。
- メールはしっかりチェックして極力すぐ返す。
- 大事な話を聞くときは極力その場でメモを取っておく。
- 特に対面の研究会の場合は、懇親会には極力参加する。
- 挨拶はしっかりする。ちゃんと目を見て。
- タスクはもらったら極力すぐその場で片付ける。後回しにはなるべくしない。
指導教員は、何か正式に「指導教員を決める会」みたいなのがあるわけではなく、おおよそM1の終わりくらいに決めることが多いです。逆に、早くから焦って決める必要はないので、幅広い勉強をした後に決めることができます。
指導教員の決定は、先に書いた通り、別に特別な儀式や会議の機会が与えられてなされるものではありません。自分から指導教員にしたいと考える(複数の)スタッフにコンタクトを取って、どんなことをやっているスタッフなのか、などなど自分で考える必要があります。迷った時はとにかく積極的に連絡をして、何度か2人でじっくりお話しする機会をいただいて、考えさせていただくのが理想かなと思います。
指導教員は、「研究テーマをくれて、答えに導いてくれる先生」では断じてありません。主体性を持って自分で共同研究を引っ張るのが大事だと思います。
理論物理では、論文を雑誌に投稿する前にarXiv(アーカイブ)と呼ばれるサーバーに投稿する習慣があります。アクセプトされる前の公開された論文は「プレプリント論文」と呼ばれますが、理論物理ではarXivに載せた時点でひとつの「論文」としてみなされることが多いです。arXivの論文はいくつかのカテゴリーに分類されています。例えば、重力理論であればgr-qc、素粒子現象論だったらhep-ph、と言った独特の名前がついています。自分の興味のあるカテゴリーの新着論文を毎日チェックするのが平日の日課です。
Inspire HEP:理論物理の論文データベース。
NASA/ADS:Inspire HEPの天体物理版。
アインシュタイン牧場bot:理論物理・国内研究会、公募の情報。
hyperspace@gu:重力理論などの国際学会の情報。
基研HP「セミナー・研究会・その他」:基研の研究会情報。
String Theory Wiki -Conferences-:弦理論系の国際学会の情報。
主に国内の研究会の情報や、公募情報が流れてきます。「JGRG」、「rironkon」、「sg-l」などの名前のメーリスがあります。ざっくり言うと、「JGRG」は重力理論など、「rironkon」は天文寄り、「sg-l」は素粒子です。
「rironkon」と「sg-l」は会員になる条件として、論文の出版があったと思います。「JGRG」はそういう制限はなかったと思うので、天羽か他の誰かに相談してもらえれば是非対応します。
僕はまだ練習中なので上達法についてあれこれ書くことはしません。ただ、確実に言えるのは、上達するには時間、お金、行動力の発揮などの広い意味での「コスト」を払う必要がある、ということです。例えばですが、オンライン英会話をするのはかなりコスパのいい自己投資な気がします(個人の感想です)。
はじめのうちは伝統的なやり方に従うのがいいのかなと思ってますが、伝統だからという理由だけで全てのやり方をただ盲目的に受け入れるのはよくないと個人的には思います。まず伝統的なやり方に従って色々やった後、周囲と議論しつつしっかり考えて、自分に合った・時代の変化を取り入れたやり方を模索して、伝統を更新していくのが理想な気はしています(人によって意見違うかも)。分からないことや困ったことがあったら、部屋を突撃したりして積極的にいろんな人に聞くのがいいと思います。